本国ドイツを中心に200枚以上のゴールド・ディスクを獲得している、世界で最も愛されているポップ・オーケストラ、ジェームス・ラスト。しかしこの日本での扱いの酷さには、呆れてものもいえない。タイトル曲の「ハッピー・ハート」も、同じユニバーサルから出ているニック・デカロ版のほうが遥かに評価が高いという有り様である。
このCDも2002年に出たCDから、全く進歩もしていない。それどころか前回のCDに収録されていた全米メジャー・ヒット曲「セダクション」や、自作の名曲「フール」「フェイス・イン・ア・クラウド」が外されているのである。日本でかつてTV番組の音楽として使われていた「ヴァイブレイションズ」(プロ野球ニュース・今日のホームラン)「ファンタジー」(アメリカ横断ウルトラクイズ)や、クラブ界でも人気の高い「ハッピー・ブラジリア」などの人気曲も、相変わらず無視されているのである。また高音質のSHM-CDを謳っているが、以前に購入したエルトン・ジョン(ジェームス・ラストは彼の曲も数多くカバーしているが、すべて日本では廃盤もしくは未発表である。「僕の瞳に小さな太陽」「悲しみのバラード」などは名演である)のSHM-CD同様従来の日本盤と大して変わらない上に、ヨーロッパ盤のほうが遥かに音が良いのである。「恋のゲーム」「ひとり寂しく」などは、20年以上前のドイツ・ポリドール・プレスのCDをも下回っている。「ゴッドファーザー・愛のテーマ」「おもいでの夏」の、ドイツ盤とは雲泥の差の貧弱な音質にも、大変失望させられる。
「SHM-CDを聴くと、既存のCDを破棄したくなる」などと書いている批評家があったが、私はこのSHM-CDのほうを売り払ってしまったのである。私はこの10年間にジェームス・ラストの輸入盤CDを200枚近く集めてきたのである。「音楽」に対する理解の全くひとかけらもない脳無しで金儲け本位の腐敗会社ユニバーサルの連中よ、聞いているのか!!
"Beach Party""Hair""Voodoo Party""Wenn Suess Das Mondlicht"・・・ポリドール・レーベルで最も世界的に売れたアーティストといっても過言ではないジェームス・ラストにはまだ本国でもCD化されていない名盤が沢山あるし、ヨーロッパでは彼の真髄を示すライヴDVDも数多く発売されている。CD大国であるはずの日本でここまで冷遇されているのは、まさに宝の持ち腐れなのである。日本人はジャンルで音楽を聴く傾向が非常に強いから、彼のような超オールラウンドなアーティストは、なかなか受け入れられにくいのであろうが・・・。