この監督の役者起用方法が本当に素晴らしいです。監督が街でスカウトして、素人を使うのですが、音声はあとから録音すれば済むので、まず、自分の思い通りの写真を撮ることを考えるんですね。声、音は別に編集。だって映画ですもん。編集したって良いものができればいいんだよね、という考えみたい。
また、この映画は全編にわたって音楽が良いですね。さらに、映画自体の雰囲気は、見世物小屋と場末のオペラハウス(こんなのがあったら、という感じですが)というような表現が合います。まさにこの監督の両親、すなわち育った環境です。(監督の両親は父が大道芸人、母がオペラ歌手志望)
話は簡単に、マザコンで母の支配からの解放のドラマです。本質がここですが、映画を見ていると迷宮に入り込むかのごとく一度では把握できないと思います。
迷宮とは、具体的に「母の手になってピアノを弾き、一緒に歌い終わったらキス」するというものすごいシーンで代表されます。ここで歌う歌も良いのですが、歌詞はなんといっているんでしょうね。知りたいですね。
そして、ああ、消えてなくなりたいと透明人間、(日本の「道成寺」のように女の執念か)蛇にも巻かれる妄想、そして強い女のレスラーへのあこがれ、などなどの描写。(ここでこのレスラーは本当に女なのか?股の間がぼかしでわからないんです、こういう重要なシーンはぼかしカット、と思ってしまう)
そして、このレスラーとショーをしようとすると(ここでの音楽も良いんですね)また母が。。母の嫉妬はこのレスラーを殺せと、、
このあとどうなるん!でしょうねえ。凄いきつい映画ですね。でも魅力たっぷりの映画だと確信しております。監督はただ単に楽しんでくださいといっているように思えます。深く考えないでと。そう思うと楽しい、普通の人では作れない画面構造だと思います。ナイフ投げのエクスタシーは実感できます。私とするとかなりのお勧めです。