今年もクリスマスイブが近づいて、恒例のサンタクロース会議が開かれたが、今年は会長勇退の年であり、副会長が新会長に選任され、会長が担当していたアメリカ支部の後任が紹介された。新たに加わることになったサンタは女性。女性サンタを認めるかどうかで、会議は大騒ぎになる――というストーリーだ。
2002年のキーワードは「リセット」だと考えている。2001年の延長は何もない。米国同時テロは世界中の人に「何が起きても不思議はない」とマインドセットすると同時に、あらゆる価値観を一変させた。
この本が示唆するように、きれいごとを言ってもこの地球上には性差別は厳然と存在する。政界・財界・官界・教育界で優秀な女性がチカラを発揮しようとしても、「ガラスの天井」が様々なところに存在することに彼女たちは気づいている。「女性の暮らし快適に」を標榜してユニ・チャームを創業してから、薄型生理用ナプキンを初めて世に出し、(大げさとのお叱りを受けそうだが)高度成長時代に女性の職場への進出を促したのが40年前。20年前には世界初のパンツ型紙おむつを発売して、長時間の家事から解放してショッピングや旅行市場の活性化にも少なからず寄与したと、自負している。
そして今、「女性がサンタになる」という既成概念をリセットした発想と、その実現が必要なのである。リセットは構造改革の必要条件でもある。女性サンタを誕生させてしまうことが改革の第一歩である。例えばアートコーポレーション社長の寺田千代乃さんが、新任のサンタになったら、きっとプレゼントの中身やサンタの仕事のやり方さえも変えてしまうであろうし、サンタクロース会議も随分活気づき斬新なアイデアも出ることであろう。
シニカルな議論も噴出するが、ほっとする結末に諸兄諸姉にはおかしくもほろ苦いお伽話として読んでほしい。もうすぐクリスマス。続きを書いてみたくなる本である。
(ユニ・チャーム会長 高橋 慶一朗)
(日経ビジネス 2001/12/10 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
可愛いいイラストに、深く考えさせられる内容。是非ご一読下さい,
By ケレナ (ヨーロッパ) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: サンタのおばさん (単行本)
男女の違いについての議論もそうですが、各国代表のサンタが各国の事情もふまえながら意見を言う状況で、国の違いを面白可笑しく垣間見る事ができました。 特に日本のサンタが他の国から意見を言われている場面。少しの批判と皮肉が妙に納得。翻訳して外国人の主人や友人達にも読ませてあげたい、と思った作品でした。 子供達にはどううつる作品なのでしょうか。大人の偏見、皮肉、国の事情を自分なりに学んで欲しいと思いました。 大人ならば、ものの20分ほどで読み終えてしまう本ですが、考えさせられる本です。 最後に主人公の現実での幸せが読者を「ほんわか」した気分にさせます。 女サンタから読者へのクリスマスカードを見つけて、何だか良い事ありそう、と思ったのはきっと私だけではないはず。。。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
今年のクリスマスプレゼントに!,
By なぎ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: サンタのおばさん (単行本)
男社会のサンタ会議に突然現れた次期サンタ候補は女性!?彼女を認めるか?否か? 白熱化する議論の中、美しい歌声が響いて・・・ 絵も文章も、当然ストーリーも
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大人でも楽しめます,
By
レビュー対象商品: サンタのおばさん (単行本)
女性のサンタを認めるかどうかでサンタの会議が開かれ議論が始まります。人種や性別や生活環境などの違いを認め、それぞれの立場や環境により臨機応変に対応していくことの大切さを教えてくれます。女性サンタの子供の言葉などはちょっとホロっとさせてくれます。 子供だけでなく大人でも楽しめると思います。挿絵も結構かわいいです。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
関連トピック一覧のアクティブなトピック
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|