太陽に特攻ときて舞台設定が2057、唐突な真田広之の配役と、一瞬かつてNHKと学研がハリウッドで製作して玉砕したクライシス2050のリメイクか・・・と思ってしまったが(思うわけないか・・)、勿論何の関係もなく、Aガーランド原作のハードSFの傑作。ジャケがアルマゲドンみたいでストーリーもイベントホライゾンとかを思い出し、どこから見ても最初はパチもん感が漂い、あまり面白いそうじゃないと思うのは当然だと思うが、実際見てみるとこれが非常に高い志を持った近年稀に見る正等派のハードSF映画に仕上がっている。正直ストーリー自体は新味はないのだが、それを補ってあまりあるDボイル監督の卓越した演出力とトレスポ以上のスタイリッシュな画がビシビシと決まって見るものを一気に引き込んでしまう。ハリウッドでのビーチの失敗後、英国に出戻り状態後のダニーボイルは本当に凄い。この作品の次にスラムドッグでアカデミー賞を総なめにする布石が本作からもひしひしと感じられる。SF映画好きには必見の作品である。音楽もアンダーワールドを起用してアンビエントな音世界がボイルの映像と組み合わさってSFなのにトレスポしています。唯一、真田広之が船長役で主役の位置付けだと思うのだが、何故か海外映画の日本人俳優のパターンに忠実に途中で死亡して後半全く出ていないのは残念。