ホテルの清掃をしているので共感する部分があり面白かった。
(事件現場の清掃をするサンシャイン・クリーニングとは全然違うでしょうが^^)
人間の生理的活動の痕跡を残す部屋に触れると、他人の存在を強く意識させられる。
生理的体験はまざまざと他人の存在を理解させてくれる。
本作でも何度も描かれているが、ニオイのインパクトは中でも大きい。
そしてその時、自分とは別の人生を一瞬横切った気がする。
他人を強く意識する時、
それまで己一人が主人公であった人生が、実は多くの人生と共に歩んでいる大河の一滴だと気付いていく。
それは己の存在を矮小化する事ではなく、孤独からの解放であったのではないか。
雇われハウスクリーニングでは感じられなかった充実感を起業によってローズは手に入れる。
その自身への肯定感は、自分が人々と共にある事を感じられるようになったからではないかと思った。
それまでローズの人生は勝者・敗者の二者択一であったが、
理想化された未来像から脱し、本当に自分の人生の舵取りを始めたラストの彼女の足取りは少し軽くなっていたように思う。
それから、7〜8才くらいのローズの息子が可愛かった。
問題行動で学校をドロップアウトしてしまうのだが、家族皆が彼を肯定し愛している。
大人達は彼を上手くいかない自分の人生のはけ口にしたりしない。
主要人物達みな、真っ当な性根の持ち主で導入部から安心して見られたのも良かった。