この『HDMVC4UC』、拡張カード型ではありますが、PCのフタを開けてグラボの交換等をやったことがある方ならモチロン、初めて挑戦してみよう!と思い立った方であっても、それほど構えなくても大丈夫です。似たような製品に「ドリキャプ(DC-HA1)」がありますが、“建て付けの悪さ”はこの『HDMVC4UC』もイイ勝負ではないかと思います。要するに、背面の開口部に合わせてブラケットをネジ止めしようとすると、マザーボード側に差し込んだスロットの接点が浮いてしまうので、取り付け前に本製品のブラケットを手で少し弓なりに曲げて「ネジ止めしてもカードの端子がスロットから浮かないように調整して取り付ける」しかなさそうです。
上記の取り付けを済ませてしまえば、あとは簡素な説明書に書いてあるとおり、ドライバのインストール、ソフトウェアのインストールと進むだけで準備は終わりますので、苦労らしい苦労はありませんでした。
さて、私自身が本製品を試してみたくなった理由は、HDCP対応機器(PS3等)からの映像のキャプチャーができることと、説明にもあった「ハードウェア処理でスムーズに映像を取り込むことが可能」という点でした。
実際にPS3でのゲーム画面にてキャプチャーを試したところ、添付のArcSoft ShowBizのキャプチャー画面でのプレビュー映像(録画はしていない状態)において、20〜40分おきくらいに映像が途切れて、いわゆるTVの“砂嵐”画面のようになり、1〜2秒でまた復帰するという現象が確認できました。ただ、この現象は録画状態では発生しないようです。
また、プレビュー画面でプレイは可能か?を私は割と重視していますが、およそ1秒未満ですが遅延が生じており、シビアな判定を要するようなタイトルではプレイ画面の代用はかなり厳しいと思います。瞬発的な操作を必要としないまったり系のタイトルであれば(違和感はありますが)、まぁ使えなくはない…かな、くらいです。なので、現実的には本機とソース元の機器の間に“スプリッター”を挟み、キャプチャー側とプレイ画面を分離することを前提にした方が良いと思います。
長時間取り込みによるキャプチャー結果は、ことキャプチャーするだけという意味では 1時間、1時間30分、2時間、と試し録りしたところ、特にHDDへの書き込みが間に合わないとか、コマ落ちするといったこともなく割と優秀だなと感じました。
ただ、3段階あるキャプチャー品質のうち「良好」もしくは「中間」を選択すればほぼ問題ありませんが、「最高」の品質設定でキャプチャーを行うと、長くなればなるほど“音ズレ”が生じるようです。かなり微妙なズレなので、もしかしたらHDDの性能が良ければ「最高」品質でも問題なくキャプチャーできる可能性はありそうです。私個人的には「品質設定による画質の優劣はほとんど感じられない」ので、むしろ時間あたりの容量差で判断してもイイのではないかと思います。
『HDMVC4UC』の利点としては、入力される信号を自動的に認識、入力される最大解像度(PS3であればゲームタイトルは720pが多いですし、映画等のHD映像であれば1080pやi)でキャプチャーを行ってくれること、ユーザーは「録画ボタンを押すだけ!」というのは大変便利だと素直に思います。このあたりで複雑な設定が必要だったり、いくつものソフトウェアと格闘して右往左往させられてウンザリする人は多いと思いますので、ビギナーに限らずその点だけでもオススメできます。
MPEG2、MP4(H264)、MOV(H264)でのキャプチャーが可能な点も、十分な画質を得るのに貢献してくれますが、他の製品ではソフトウェア処理でのキャプチャーが前提なものが多く、大容量かつ高速なHDDを要求されがちです。本製品でも一応、推奨PCのスペック要求はあるものの、近年リリースされたPCであれば、特に増強等しなくても使えそうですが、前述のように“ある程度は妥協しないとイケナイ”ところもあります。
MP4(H264)の最高品質で約3分半の映像でテストしたところ、1080iで500MB前後の動画ファイルが作成され、その映像にはコマ落ちもほとんど無いようです。なお、PS3ゲーム画面でのテストでは約1時間を中間品質でキャプチャーしましたが、約4GBのファイルが作成され同様な結果でした※)。
※Win7/64bit RADEON HD5870 で試用しました。HDDはバルク品の5900rpm程度でRAID等は組んでいません。
ハブ状に4つ並んだHDMI入力ポートも自動認識とのことで、キャプチャー対象にしたい機器が4台以内であればHDMIセレクタも不要になりますし、HDCP対応なので某GS等の高価な投資もいらなくなるので、ことHDMIキャプチャーに関してはこの『HDMVC4UC』だけで事足りてしまうと思います。
以上により評価は、前述のとおり拡張カード型という点を除けば、恐らくUSB型キャプチャー機器(「USB Grabber DM231C」等)に次いでカンタンに扱えますので、もっとキレイにキャプチャーしたいなぁ…と思っている動画キャプチャーのビギナーに優しい製品という意味で★4つとさせていただきます。減点要素は、言わずもがな、誰が扱ってもキチンと収まるように作ってくださいな。「安かろう悪かろう」の時代はもう終わりですよ。