原題は飛行機の禁煙サイン『Thank you No smoking』をもじった"Thank you for smoking"ここから既に可笑しい。
議論を通じて第三者に訴えることを「知的論争術」=ディベートと言います。例えば裁判でも、弁護士はたとえ自分が許せない人であっても罪人を擁護しなきゃならない。この作品でも、タバコを擁護しようと、論旨のすり替え、視点の逆転など様々なテクニックが駆使されていて、参考になるというかメチャメチャ面白いです。
タバコ業界のPRマンとして、巧みな話術と情報操作でタバコを擁護し続ける主人公。こんなことやっているとヤバイかもと意識しつつ、それでもディベートを楽しみ、仕事に熱中する主人公を、実にチャーミングに見せてくれます。同時に一人息子を思うオヤジぶりも微笑ましい。
美人女性記者にケイト・ホームズ。反タバコ派の上院議員にウィリアム・H・メイシー。マリア・ベロ、デヴィッド・コークナー、サム・エリオットが脇を固めていています。ケイト・ホームズのキュートながらクセモノ新聞記者ぶり、体当たりベッド・シーンも笑えます。 あと、死の商人が集まっての本音トークの場面も面白かった。
最終的には、タバコは悪だと単純視する風潮を痛烈に批判しているのかな。要は、人間には選択の自由があるのだと。ちなみにこの作品、喫煙シーンは一度も出てきません。そのあたりもお見事でした。