ご注意いただきたいが、本作は決してハードアクション大作ではない。宣伝やケース裏の説明に騙されて先入観を持って観てしまうと肩すかしを喰らうだろう。だがそうした部分を抜きにして内容に触れる事ができるならそれなりに楽しめるのではないだろうか。
内容的には近年増えている複合ジャンル映画であり、敢えてジャンル表現するならSFヒューマンサスペンスとでもなるのだろうか。
大多数の人々が現実世界でサロゲートというアバターロボットを操るようになってしまった近未来、サロゲートを破壊することでそのオペレーターまで殺されてしまうという異様な事件が起こる。FBI捜査官トム(ウィリス)はその事件の真相を追求して行くが、その過程でサロゲート社会に対する違和感を募らせて行き、やがて彼は…というストーリー。
本作の良いのは、こうしたロボット物で多い、ロボットやコンピューターの反乱的な設定にした責任転嫁がなく、どういう選択をするのも、それを存続させるのも、そして脱却できるのも全て「人」なんですよと言っている所。
諸要素が絡みあって立体感ある構成となっている割にはそれぞれに突っ込みが足りない気がするし、事件のトリックも分かってしまえば安易な感じが残ってしまうし、夫婦間のヒューマンドラマにしてもやや奥行きが足りない気がしてしまうのだが、「人」の選択責任という問題意識がコアに埋められているため全体として安定感がある。そういう意味で実に面白い映画だ。
映像コーデックはMPEG4 AVCであり、新しい映画であることもあって精密な映像である。ややデジタル・アニメ的な映像が眼につくものの、それ程は気にならないだろう。PQ 4/5。
音声コーデックは英語・日本語ともにDTS HDMA 5.1chであり迫力も繊細さも備えた良質なサウンドだ。SQ 4.5/5。
特典もHD収録されている点も含めて、お勧めできるBDタイトルである。