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サルトル―失われた直接性をもとめて (シリーズ・哲学のエッセンス)
 
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サルトル―失われた直接性をもとめて (シリーズ・哲学のエッセンス) [単行本]

梅木 達郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

概念や言葉を媒介せず、世界に到達することを思索の使命としたサルトル哲学を辿り直し、今なお問いかけてくる、直接性の孕む諸問題を検証する。

内容(「MARC」データベースより)

人はなぜ真実にじかに触れたいと思うのか? 概念や言葉を媒介せず、世界に到達することを思索の使命としたサルトル哲学を辿り直し、今なお問いかけてくる、直接性の孕む諸問題を検証する。

登録情報

  • 単行本: 123ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2006/01)
  • ISBN-10: 4140093293
  • ISBN-13: 978-4140093290
  • 発売日: 2006/01
  • 商品の寸法: 18.2 x 12.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 こうした入門書シリーズすべてに言えることだが、入門書ほど難しいものはない。簡便な本として限られた紙幅で広くその思想家の仕事をカバーし、さらにはその同時代的な意義と歴史的な意義をも見定めるために、水平的かつ垂直的に著者に関連する議論をカバーしなくてはならないのだ。そして、それを初学者にもわかるような平易な言葉で語らなくてはならないのと同時に、幾多もある入門書に「屋上屋」を架す以上、単純化・ステロタイプ化が許されない。

 昨年生誕100年を迎えたサルトルは、日本でもリバイバル・ブームがあった。他の入門書・新書も含めて、サルトル関連本は相当数を数えた。その最後の一書をなすのが、梅木達郎の『サルトル』だろう。そして、梅木『サルトル』は、その最後を飾るにふさわしい、「特異な入門書」となっている。

 おそらくその最大の要因は、梅木自身があとがきでも記しているとおり、梅木が通常の意味ではサルトル研究者になりきれなかったことに由来する。梅木はサルトル世代(加藤周一や海老坂武など)とポスト・サルトル世代(三宅芳夫など)の中間に位置した「遅れてきたサルトリアン」であった。同時代的に熱中することもできず、しかし、距離を置いて純粋に過去の思想家として扱うこともできない。そうしたアンビヴァレンスを抱えたまま、しかもサルトルを離れて、ジュネやデリダへと向かった著者ならではの独特な距離感が随所に感じられる。

 近代主義者からはサルトル的な〈強い主体〉の構築に基づくストレートな政治的コミットメントが絶賛され、ポストモダニストからは近代的主体批判と透明性・直接性への批判からサルトルは限界だと切り捨てられた。だが本当にそうなのか。梅木は、ジュネやデリダを経た視線からもう一度、かつてサルトルに入れ込んでいた自分に立ち返る。いまなお汲み尽くされていないサルトルの現代的意義を著者とともに「再読」するには絶好の本だ。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
サルトルの著作は、短編集である「水いらず」と「嘔吐」(を途中まで)、入門書は一冊ほどしか読んだことありませんでした。

この梅木さんの入門書は、サルトルの思想を私たちが生きている上で直面する問題とを結びつけて解説しており、読んでいて自分の体験として感じられる部分が多かったです。

私自身、自分が触れられる世界から抜け出して、それを超えた世界(他者)を理解することができないことに対する行き詰りを感じていたところであったのですが、似たようなことが平易な言葉で言及してあったので、今後よりサルトルを勉強したいという気持ちが高まりました。

彼の思想を学ぶと同時に自分の問題を考えたり発展させたりする上でも参考になり、読んでよかったと思います。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:単行本
「存在と無」を、著者サルトルの立場と、読者の実感に沿うように分かりやすく解説した好著。フッサール、ハイデガー、ヘーゲルなどの「影響を与えた哲学」の解説は最小限か殆ど無視して、主著を中心に核心を捉えた。サルトルが如何に微妙且つ「瞬間」を重視した哲学者であったかがよく出ていると思う。「存在と無」を読んだ時、難解ゆえ理解の線が細くなっている部分がある不安を覚える人は多いと思うが、本書を読むことで、その不安が払拭されて、かなりサルトルの言わんとする事柄の輪郭がしっかりしてくると思う。それだけで解説としては傑作だが、加えて、仏文、フランス思想系によくある、妙に恰好つけて、却って分かりにくくなってしまうあほらしさは著者には皆無。良識を伴った文章は読みやすく、しかし雰囲気で流さない立派さがある。「弁証法的理性批判」と「倫理学」の解説は紙面の関係上、言及が最小限なのは残念だが、「存在と無」からの脱却を目指した意図はしっかり示されていると思う。「真理と実存」のキーワードを「贈与」にあることも教えられた。著者は、サルトルが「贈与」概念が壁に突き当たってしまう点を指摘している。が、同時に「自我」から「他者」への掛け橋の思想的難易度が体感できると思う。ハイデガーの「ニーチェ」にサルトルを超える「美」に関する「贈与」概念の可能性を示している点は、ちょっと同意できず、個人的には、サルトルの切実さがハイデガーにあるとは思えなかった。日本の現象学者によって「異端者」「エピゴーネン」扱いされたサルトルだが、哲学者とは過去の思想家との「系譜」など辿れること自体オリジナリティの欠如で、サルトルの評価は下がるどころか上がるべきだと本書を読んで思った。「勝手に術語の意味を変えて使う」というサルトル批判自体「サラリーマン哲学者」の言い分に思える。
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