現在のフランス大統領であるサルコジの生い立ちから行動、政治手法等を追った本。よりも、「マーケティングで政治を変えた」というポイントに惹かれて読んでみた。
まずはサルコジという大統領が、私のもつ「フランスの大統領」のイメージとかけ離れていることに驚く。彼の人生は、生い立ちから今まで、波瀾万丈。特に、多くのページが割かれて解説されている彼の2回の結婚とフランスの起業幹部とのエピソードには、そのご夫人のキャラクターの強さや登場する企業の華やかさもあって、小説並みに面白い。
また、フランスでの年齢的な「常識」に驚かされる。サルコジがフランスで最も豊かな街であるヌイイ市議になったのが22歳で、そこの市長には28歳でなっている。また、サルコジは当時30歳の女性を大臣として登用している。フランスでは「老害」という言葉が無いのかと思う程、若いうちから重要な役職に就くのは、日本との差を感じずにいられない。
また同様に、フランスでのメディアが他の業界(例えば軍需産業)に握られていて、政治的にも産業的にも露骨なメディア操作がされていというのも知らなかった。どちらかと言えば、とてもリベラルな国だと思っていたフランスで、メディア産業が誰かに牛耳られているとは!
というわけで、日本ではあまり知られていないが本国では圧倒的な人気を誇るサルコジ大統領について学べる貴重な本であり、またフランスの(日本とは違う)常識を知る事のできる、とても面白い本。予想以上に面白かった!単純な読み物として、政治に興味がある方も無い方も、広い方にお勧め。
但し、副題の「マーケティングで政治を変えた大統領」というのは、その解説をしているのは第8章ひとつだけで、大部分はサルコジの生い立ちや行動の解説。第8章も、サルコジの手法が「ストーリーテリング」的であるというだけであり、それは特別なものでもない(著者自ら、ブッシュも多用したと説明している)。よって、貴重で面白い本だけど、題名に偽りありなので、☆は4つのみ。