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サラ金崩壊―グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争
 
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サラ金崩壊―グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争 [単行本]

井手 壮平
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サラ金崩壊
「利息制限法」が定める上限金利(元本の金額に応じて年15~20%)と「出資法」が定める上限金利(29.2%)の間の、「グレーゾーン金利」廃止までの動きを追ったノンフィクション。金融庁、消費者金融業者、政治家など、関係者の攻防を描写する。

始まりは2006年1月の最高裁の判決。アイフルの子会社が債務者に返済を求めて訴えを起こし、グレーゾーン金利の有効性を争った裁判で、1審、2審は原告が勝訴したが、最高裁は「原判決を破棄。高等裁判所に差し戻し」との判断を示した。この判決以後、金融庁はグレーゾーン金利廃止と上限金利引き下げに向けて動き始める。

消費者金融には高金利、過剰な貸し出し、過酷な取り立てという構造的問題が指摘され、これらが多重債務者、自殺者を生んでいるとの批判もあった。この時期、悪質な取り立てが表面化したアイフルに対し、金融庁は大規模な行政処分を下す。世間で消費者金融業者に対する悪いイメージが広がり、業者側は反対する力を失っていく。米国からの“外圧”、少額・短期の貸し付けに高金利を認める「特例」設定の動きなどをくぐり抜け、2006年12月、上限金利を引き下げる「貸金業法」が成立した。その陰で起きた様々な人間ドラマを克明に描き出している。


(日経ビジネス 2007/06/04 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)

内容(「BOOK」データベースより)

2006年1月13日、金融庁、消費者金融業界に衝撃が走った。グレーゾーン金利(利息制限法の規定を超える金利。長年容認されてきた)の有効性を、最高裁が否定したのだ。金融庁の大森泰人参事官らはこれを機にグレーゾーンの撤廃、上限金利の引き下げを目指し密かに工作をはじめる。経済的困窮による自殺、自己破産は急増しており、多重債務問題には歯止めが必要だった。現行金利の上であぐらをかいてきた業界はもちろん徹底抗戦を開始。やがては与野党の政治家、外資、マスコミを巻き込んだ大乱闘に発展してゆく―アイフルへの処分、アメリカの圧力、後藤田政務官辞任、大荒れの自民党合同会議の裏側を徹底取材。貸金業法成立までの激動の300日全記録。

登録情報

  • 単行本: 193ページ
  • 出版社: 早川書房 (2007/03)
  • ISBN-10: 4152088060
  • ISBN-13: 978-4152088062
  • 発売日: 2007/03
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
文句なしの星5つ(実質的にはそれ以上素晴らしい)。ものすごいノン・フィクションが出たなぁというのが第一印象です。この本は、マスコミ記者でしか知りえないようなかなり高度な内容を含んでいるので、消費者金融業界にある程度の知識を持った読者でなければ読みこなすことさえ難しいかもしれません。私は消費者金融業界のアナリストを務めておりますが、ずっと求めていた情報が本著に詳述されており、武者震いがしました。また、プロ中のプロであるSFCG(旧商工ファンド)の大島社長も先日開催された業績説明会の場において、「よく書けている」と本著を高く評価なさっていらっしゃいました。サラ金の上限金利問題が浮上したとき、誰もが思っていた「キャスティングボードを握っているのは、金融庁か、政治家か、マスコミか、業界団体か、弁護士か、外資系の意向を受けた米国政府か」という疑問が、本著によって明らかになります。業界関係者や金融株に投資している投資家にとっての必読書です。
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形式:単行本
かつて団地金融といい,その後「サラ金」と言い換え,最後には消費者金融と自らを称していた高利貸し業界があった。その「サラ金」が崩壊していく過程を「中立的に」記述した本。

高利貸しである「サラ金」を自由市場論で論じ,あるいはヤミ金跋扈論で擁護しようとしていた日本の消費者を食い物にしている外資や,政治家(保岡・太田),サラ金に野放図に融資した銀行や,団信で利益を得ていた生命保険業界といった力学を余すところなく書き取っている。

ただ,「サラ金」がこれだけの規模に増殖した背景には,武富士の未公開株を当時の大蔵省次官が譲渡を受けていたという金融行政当局の負の遺産があることを指摘しておくことが必要だったのでは。

なお,筆者によると「中立的」とは,「相応の主張を公平に扱って筆者自身の考えを出さないということではなく,先入観を排してそれぞれの理論を自分なりに検証した上で,最終的には自身の見識や価値観に基づき判断する」といことだそうである。その点で,この本が2006年という「サラ金」崩壊の1年を説得的に書き取ることができたのは,筆者の見識によるということであろうか。

改正貸金業法の完全施行がなされていない現在,将来を見据える本としても,本書は必読であろう。
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:単行本
2006年に起きた「グレーゾーン金利」を巡る業界、政界等の抗争と、撤廃という結果がもたらした消費者金融の崩壊を描いたもの。まるで、時代劇の悪代官と高利貸しを見ているようで、我が国の金融行政と業界の腐敗振りには暗澹たる思いがする。

「グレーゾーン金利」とは出資法で定められた29%という上限金利と、利息制限法で定められた20%という上限金利の間の利率を言い、それまで消費者金融が利率として用いていたものだ。従来の司法判断では「グレーゾーン金利」は無罪とされていた。この高利率の結果、消費者金融は"我が世の春"を謳歌していた。更に、この高金利では返済不能になる方が出るのは当然で、ヤクザまがいの取立てのノルマの厳しさも本書中で明らかにされている。

そして2006年の有罪判決が出て状況が一変した。TVのCMで複数の女性バレー・ダンサーを使ったものや子犬を用いたものが一斉に消えたのは、この判決によって多くの消費者金融が立ち行かなくなったせいである。しかし、一般人にとっては明らかに暴利と思える「グレーゾーン金利」を長年許して来た行政の怠慢は許せないと思う。この怠慢行政とそれに便乗した消費者金融の実態を暴いて胸のすく快著。
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