上手な節税法の指南書かと思い購入しましたが、違っていました。
節税効果の説明として著者が実際に購入した520万円の中古ワンルーム(年間ローン支払額385,800円、年間のキャッシュフローマイナス94,020円)を年収800万円のサラリーマンが購入した場合のシュミレーションをしています。家賃収入487、380円、租税公課25,600円、借入金利子149,140円、減価償却費248,471円、支払手数料195,600円、その他の経費1,250,777円で家賃収入から経費を引くと所得がマイナス1,382,208円になるので給与所得と通算すれば376,463円の還付が受けられキャッシュフローのマイナスを補って282,443円の黒字になるということです。
ここでおかしいと思ったのはその他の経費1,250,777円も計上されていることです。よほど大がかりなリフォームでもしない限りワンルーム1室にこんなに経費がかかる訳がありません。出費を伴わない経費は減価償却費以外は通常ありえませんので、その他の経費は実際に出費しているはずです。そうなるとこのケースのキャッシュフローは487、380−385,800−195,600−1、250、777=マイナス1,344,797円にもなりマイナス94,020円どころではありません。37万円ほどの還付金があってもとても補いきれません。
そもそもマイナス94,020円の計算自体が家賃収入からローン支払い、支払手数料を引いた金額で租税公課を引き忘れています。その他の経費があればさらに金額が変わってきます。
通常に入居者付けがされていれば、不動産所得が赤字になるのは、物件を購入した初年度のみというのは常識です。
1年約30万円節税効果があれば10年たてば300万円になるというような書き方も問題だと思います。
この本を読んだ人の中には収益物件の購入=節税と勘違いしてしまう人もいるでしょう。
そうなると悪質ワンルーム業者の思う壺です。