本書では十字軍と戦った英雄サラディンを中心として、当時のイスラム勢力の情勢を説明している。
イスラム王朝の内情と彼らの軍隊の説明はなかなかお目にかかれない貴重なものであると思う。
当時のイスラム王朝も、十字軍と同じく1つではなくいくつ者王朝から成り立っていた。
セルジューク、ファーティマ、アイユーブ、マルムークなど。
もちろんアサッシン派に触れている項目もあるが、あくまでおまけ程度だ。
各王朝に由来する軍の編成、装備、戦術などの説明はこの頁量に対してかなり深く扱っている。
そして本書の華である、アンガス・マックブライド氏の彩色画はイメージのわきにくい中東の軍装を見事に補っている。
十字軍時代を検証する際の貴重な資料として、非常に役立つだろう。