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サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)
 
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サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫) [文庫]

内田 百けん
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

薄明かりの土間に、死んだ友人の後妻が立っている。夫の遺品を返してほしいと、いつも同じ時刻にそっと訪ねてくるのだ。はじめは字引、次に語学の教科書、そしてサラサーテ自奏のレコード―。映画化もされた表題作「サラサーテの盤」をはじめ不可思議な連作「東京日記」、宮城道雄の死を描く「東海道刈谷駅」など、百〓(けん)の創作を集める。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

内田 百〓
1889‐1971。小説家、随筆家。岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。東大独文科在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などでドイツ語を教えた。1967年、芸術院会員推薦を辞退。本名、内田栄造。別号、百鬼園(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 325ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2003/01)
  • ISBN-10: 4480037640
  • ISBN-13: 978-4480037640
  • 発売日: 2003/01
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 ちくま文庫から刊行されている百集成の中で、最も完成度の高い最高の一冊を上げろといわれればもしかしたら、その一冊は『サラサーテの盤』と題されるこの一冊なのかもしれない。

 二十三の小品からなり、その一つ一つに百の体験した幻影が描かれている小品集『東京日記』、亡くなった友人の妻が毎日一つずつ、その友人の遺品を百の家から持っていく『サラサーテの盤』、親友宮城道夫の死を描いた『東海道線刈谷駅』など、どれを取っても傑作ぞろい!
 まさに一部の隙も無い百集成究極の一冊!!お勧めです!

 あっ、それから巻末には三島由紀夫による解説も収録されていますので、そちらもお見逃しなく!

このレビューは参考になりましたか?
形式:文庫
この本には、1930年代後半、1940年代後半、そして1950年代後半に書かれた短編小説が収められていますが、日常生活が淡々と描かれていながら、どれもこれも行間から、まるで芥川晩年の小説を思わせるような、不吉で不気味な空気が醸し出されてきます。
本の表題にもなっている「サラサーテの盤」(1948年作)の内容をざっと紹介しますと、地方の学校に赴任した友人に誘われ、主人公は東北に遊びに行きます。その晩、かなり大きな地震が起こります。その後、友人とともに太平洋岸の町まで足を延ばし、その地の料亭で、ひとりの芸者と出会います。友人の妻は、スペイン風邪を患って亡くなってしまい、かの芸者が友人の後妻におさまります。結局、友人も亡くなり、元芸者の未亡人は、友人と前妻との間に生まれた娘のうわ言に突き動かされ、亡き夫の貸与物を返してもらいに、主人公宅を何度も訪ねてきます。主人公は、借りたことを失念していたサラサーテの盤を、未亡人宅に届けに行きます。そして一緒に聞いてみると、録音時に紛れ込んだと思われる演奏者の声が、死者の声とダブって聞こえてきます。以上。
この物語には、地震、スペイン風邪の流行と、人の死が身近にあった、戦争をはさんだ時代の不安が、色濃く反映されているようです。しかし、インフルエンザの流行、東日本大震災、原発事故による放射能汚染と、同じように人の死が身近となった昨今、この不気味さは、極めて今日的とも云えるでしょう。
なお、この「サラサーテの盤」は、1980年、鈴木清順監督によって、「ツィゴイネルワイゼン」として映画化されました。友人と芸者の馴れ初めと、未亡人の訪問が淡々と描かれているだけなのに、読み進むうちに徐々に恐怖感が増してくる原作とは違い、映画の方は、わざとらしく奇を衒った演出と、出演者の大袈裟な演技で、派手派手しいだけの印象しか残りませんでしたが。
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2 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
百けん先生の文章はいつもどこか浮遊している感がある。本書でも東京日記やその他の作品にもそれが顕著に現れる。どこか曖昧でわけのわからない恐怖。先生の作品は下手な怪談より怖いです。
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