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西アフリカの小部族エグバドは隣国ダホメーによって攻め滅ぼされた。部族長の娘サラは生け贄の儀式のために捕らわれるが、イギリス人フォーブズの進言により、ヴィクトリア女王への献上品としてイギリスに渡ることになる。本書はサラの生涯を追ったもので、ヴィクトリア女王の庇護、学生時代、結婚、死と、各場面に合わせて当時の時代背景が解説される。19世紀という時代が黒人に対して、いかに差別的であったか。奴隷問題、植民地の問題、教育の問題。しかし、著者の見方はあまりに単純である。たとえば、ダホメーのゲゾ王は奴隷狩りにいそしむ悪役として腹黒く描かれるばかりで、なぜイギリスがダホメーの悪行を放置・黙認していたかについては触れられていない。むしろサラはイギリスによる犠牲者と見るべきだろう。
近年、日本でも19世紀のイギリスーアフリカの問題については詳細に研究されるようになっている。井野瀬久美恵氏の著作などが参考になるだろう。
素材が面白いだけに残念。
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