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サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い
 
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サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い [単行本(ソフトカバー)]

西 芳照
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ監督のもと、世界で戦う選手たちを「食」で支えてきた専属シェフが初めて語る、W杯の秘策と感動の舞台裏。W杯の勝利のメニューとレシピ掲載!

内容(「BOOK」データベースより)

ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ監督のもと、世界で戦う選手たちを「食」で支えてきた専属シェフの奮闘記。初めて明かされる、W杯からアジア杯優勝の舞台裏。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 259ページ
  • 出版社: 白水社 (2011/5/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4560081115
  • ISBN-13: 978-4560081112
  • 発売日: 2011/5/6
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.2 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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サッカー日本代表チームが海外に遠征して試合をする。親善試合もあるが、大半の試合は「ぜったいに負けられない戦い」である。遠征先は必ずしも環境がいいところとはかぎらない。むしろ、厳しい環境のなかで行われる試合のほうがはるかに多い。
条件が厳しくても、選手たちはコンディションを整えて試合に臨み、90分かそれ以上の試合で最高のパフォーマンスを発揮しなくてはならない。われわれはテレビに映る試合中継だけを見て「もっと走れ!」「もっと身体を張れ!」とか「応援」しているだけだが、もっと走るために、もっとがんばるためにどれだけ多くの人たちが選手を支えているかについて、これまであまり目を向けてこなかったのではないか。

そんなスタッフの一人である専属シェフ、西芳照氏が、海外遠征帯同の7年間をつづった本である。
選手たちがたくさん食べて、たくさん走れるようにと、西氏はメニューを組む。
それは決して豪華な食材を使ったグルメな食事ではない。選手たちが求めるのは、ふだん日本で食べ慣れている食事だ。W杯南アフリカ大会については、日々のメニューが紹介されているが、それを見れば焼き魚、親子煮、肉じゃが、生姜焼きなど、家庭で出てくるふつうの料理だということに少し驚く。
だが、食材がそろわない海外で、日本で食べるのと変わらない(もしかするとそれ以上においしい)家庭料理を出すことがどれだけたいへんか。しかも調理するのは言葉が通じない外国人シェフたちが働く厨房である。家庭で奥さんや親御さんたちが愛情をこめて料理をするのと同じくらい、深い愛情をこめて西氏は選手たちのために料理する。その奮闘ぶりを見ていると、選手たちが試合を終わって「西さんのおかげで勝てました」というお礼を言うのがよくわかる。

料理の話も興味深いが、それ以上に選手やスタッフと西氏との交流のシーンがすばらしい。
南アフリカ大会デンマーク戦後に西氏の手を握り締めてただただ涙を流した阿部選手。
「勝利のうどんをください!」と西氏がライブクッキングでつくるうどんを試合前に食べて、カタールのアジアカップで大活躍した長友選手。
「西さんも大事なチームの一員だから」と24番のゼッケンをつけたシェフコートをつくってくれたサッカー協会の湯川氏。
どのエピソードにも泣ける。

日本代表だけでなく、日本のサッカーの発展を支えているのは、現場で献身的に、そして一流の腕前を持って働く西氏のような職人的スタッフたちなのだ。
裏の帯で紹介されている中村俊輔選手の言葉にあるとおり「西さんのような重要な仕事をしている人のことを、多くの人に知ってほしい」
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By naichi トップ500レビュアー
世界最高峰の舞台と言われるサッカーW杯。南アフリカ大会における日本代表ベスト16入りの快挙は記憶に新しいが、その躍進を「食」の面から支えたのが、本書の著者・西 芳照氏である。本書は、ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニの時代まで、七年間にわたってサッカー日本代表の海外遠征シェフを勤めている男の奮戦記である。

国と国の威信をかけた戦いとなれば、その裏側も壮絶である。衛生管理、食事づくりの手際、現地スタッフとの協力体制、食事会場設定、食材の手配、周到に準備しても想像がつかないことの連続である。例えば、試合のたびにアウェイの洗礼を受けた重慶でのアジアカップの時のこと。厨房がせまく、ホテル内のレストランとの共有だったためスタッフがひしめき合い、裏側でもアウェイ戦を強いられていたそうだ。また、イランのような異文化環境では、イスラム教徒の断食月と試合が重なり、市場が食材の手配が難航したこともあったという。

本書を読んで改めて痛感するのが、食事とコミュニケーションの関わりの深さである。ワールドカップの遠征は事前合宿もふくめると約一カ月。ホテルから外に出られる機会も少なく、緊張感の続く毎日だ。そのため、食事会場での空気は、チームの状態を大きく左右することもある。実際にドイツ大会の時は、スタメン選手とサブ選手は、それぞれが別々のテーブルに固まっており、壁を感じることもあったそうだ。

西氏が食事会場を盛り上げるために編み出したのが「ライブ・クッキング」である。選手たちの目の前で、彼らの注文を聞いてからパスタやうどんをゆでたり、肉を焼いたりするものだ。調理自体をエンタテイメントとして楽しんでもらえるほか、選手との交流の場としても有効に機能したそうである。

直近の南アフリカ大会では、チーム全体として高地順化が大きなテーマであった。もちろん食の面でも同様である。そのため、「鉄分補充」「糖質補給」「抗酸化物質の摂取」ということを念頭に入れて、メニューが考案されたそうだ。その際の具体的なメニューも、本書に掲載されている。しかし、一番の問題は、おいしいごはんが炊けるか?ということであった。標高の高い地域では、気圧が下がるため沸点も低くなり、炊いたごはんの食感が悪くなってしまうのだ。

そこで活躍したのが圧力鍋。圧力鍋は標高で沸点が左右されないため、ふんわり、しっとり、ねっとりした「正しい日本のごはん」を炊くことができたそうだ。日本代表の活躍の要因は、意外にこんなところに潜んでいたのかもしれない。

「世界を驚かすサッカー」、そんな標語を掲げて勝ち進んだ日本代表。その裏側にある「勝つための食事学」には、日本人でも驚かされることが多いだろう。
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By Concerto トップ500レビュアー
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福島Jヴィレッジ ナショナルトレーニングセンター内レストランの総料理長を務める、西芳照氏の書記です。
ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ監督のもと、世界で戦う選手たちを
「食」で支えてきた日本代表専属シェフの奮闘記です。

選手の自伝本やスポーツライターの書籍は読んだことがありますが、このような「食」という専門分野での
裏舞台の奮闘記を読んだのは初めてで、非常に興味深く鮮烈で、あまりの面白さにあっという間に読み終えてしまいました。
本書は西氏がJヴィレッジの総料理長に就任し、日本代表専属シェフのオファーを受け、代表に帯同して
海外遠征をした7年間の記録が丁寧に綴られています。
ジーコ、オシム時代の記録はざっくりと。メインは2010年南アフリカW杯の記録となっています。

選手の目の前で温かい食事を提供したいという思いから始まった、ライブクッキング。
ホテルのビュッフェバイキングでは極当たり前の光景ですが、環境や風土が日本とは全く異なる
異国の地で行おうとすると、全く勝手が違ってきます。
ホテルによっては消防の関係上、煙を出すことがN Gだったり。では如何するのか?
まずは煙が出ない「うどんを茹でる」という調理を実践。これが選手に大好評で、これがライブクッキングの
始まりだったそうです。

西氏は一日3食、毎食必ずライブクッキングを取り入れていて、朝食はオムレツや目玉焼き等の卵料理、
昼食は主にパスタ類。夕食はパスタ類に加えて、サプライズで様々な料理を提供されています。
このサプライズ料理が、実に面白い。
ラーメンやステーキ、ポークグリル、お好み焼き、焼餃子等バラエティに富んでいて、
慣れない海外遠征中にふと日本食の味が恋しくなったときに、選手にとってはきっと堪らない一品だったと言えるでしょう。

特にラーメンが大人気だったようで、初めて提供したときは選手が歓声をあげて喜び、
食事中に全く笑顔が見られなかった岡田監督が、初めて笑みを見せたとのこと!
ちなみに食事後には大久保選手が、「西さん、次にラーメンを出すのはいつですか?」と
わざわざ聞きにきたそうです(笑)
また非常に気になるのが、西氏の特性パスタ。
クリームソース、トマトソース、ペペロンチーノとソースの味が3種類から選ぶことができ、
岡田監督を「西さんのパスタを食べたら、他ではもう食べられないよ」とまで言わしめたパスタは
一体どれだけ美味しいんだろう?と、自分も一度で良いので食べてみたい!と心底思いました。

本書を読んでひしひしと感じたのが、裏方スタッフの仕事が如何に重要で労力を必要とする激務だということ。
選手のスケジュール調整、一足先に現地入りし、食材の確保や会場の設置準備。
また出国前は、人数×日数分の大量の食材をどのように輸送するのかの準備手配、現地の習慣や環境、風習等を片っ端から調べるなど、
本当に時間がいくらあっても足りないのではないかと思えるほどで、日本を代表するスポーツ選手を影で支える人々の尽力結束力に、
ただただ頭が下がる思いでいっぱいです。

デンマーク戦が終了した後、西氏は選手全員と抱き合って喜びを分かち合ったそうです。
ライブクッキングを切っ掛けに選手たちとも少しずつコミュニケーションが取れるようになり、
日々「温かくて美味しい料理を食べてもらいたい。試合中にスタミナが切れないように、エネルギーが充分付くように。」という
選手への思いで奮闘してきた姿に心を打たれ、涙が溢れました。

裏表紙には、代表のエンブレムが入ったシェフコートの写真が掲載されています。
「西さんは24番目のサッカー日本代表選手だから」と、日本サッカー協会の方が
作って下さったそうです。
まさしく、厨房の24番目の戦士と言えるでしょう。

日本代表を愛する多くの方に読んでもらいたい、素晴らしい一冊です。
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