このシリーズのファンなので、星四つをつける。ただ、買う人のために、特に気になった点を書いておく。一つは戦闘シーン。刀“月”たちが新しくつけた力が何一つ役に立っているように見えない。また主人公の行動と敵の行動は目を覆うばかり、運命を支配していると言っても何が何だか“大体お前らほんとに敵か?”と突っ込みたくなる。書いている当人の“のり”は伝わるのだが、元々戦闘シーンを書くのは苦手な方のような気がする。だから最後の決戦のところは斜め読みするぐらいの覚悟が必要。もっともこのシリーズは、私は刹那の殿に対するラブラブぶりを楽しんでいるので、私にとっては大きな欠点とならないが。言い換えれば、細部までしっかり書きあげられたものを期待しているなら、外れになってしまう。まあ小説としてみれば、ステロタイプといわれるのだろうな。ただ、どんな本であっても、すべての人に受けるわけはないのだから、このようなラブラブ系を好めるか好めないかの問題だと思う。個人的には最後のパーティのシーンをもう少し丁寧に書いてくれたほうが、よかったかな。と言っても、刹那からの手紙が十分気持ちよいので、それだけで星5つをつけたくなってしまう。戦闘シーンなどのところのマイナスを考えて星4つ。ここでシリーズ終わりというのはちょっともったいない。殿と二人で旅行に行くとかテスト勉強をするとか、日常をモチーフにした短編をいくつか書いてくれると嬉しい。
そうそう、表紙の絵はもう少し何とかならなかったのか、刀をあてて恥ずかしがっている仲の良い二人と見えて、敵同士には見えないぞ