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サマータイム (新潮文庫)
 
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サマータイム (新潮文庫) [文庫]

佐藤 多佳子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

夏の日、偶然出会った片腕の少年とぼく達姉弟。ジャズの名曲にのせて、友情、初恋、別れを切なく熱っぽく描いた青春文学の傑作!

対象年齢:中学生から --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

佳奈が十二で、ぼくが十一だった夏。どしゃ降りの雨のプール、じたばたもがくような、不思議な泳ぎをする彼に、ぼくは出会った。左腕と父親を失った代わりに、大人びた雰囲気を身につけた彼。そして、ぼくと佳奈。たがいに感電する、不思議な図形。友情じゃなく、もっと特別ななにか。ひりひりして、でも眩しい、あの夏。他者という世界を、素手で発見する一瞬のきらめき。鮮烈なデビュー作。

登録情報

  • 文庫: 218ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/08)
  • ISBN-10: 4101237328
  • ISBN-13: 978-4101237329
  • 発売日: 2003/08
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 小学五年生の伊山進と一つ年上の姉の佳奈。進より二つ年上で、ピアニストの母親と二人で暮らしているどこか大人びた浅尾広一。夏休みの最後の日、三人で一緒に食べた塩辛いミント・ゼリーの思い出。喧嘩したまま別れた佳奈と広一。そして六年後、大学生になった広一との再会(「サマータイム」)。その数年前、進の自転車と佳奈のピアノが初めて家にやってきた頃、まだ幼女の面影を宿す佳奈のある日の出来事(「五月の道しるべ」)。佳奈と別れてから三年後、やがて新しい父親となる男と広一との出会い(「九月の雨」)。十四歳になった佳奈と調律師・センダくんとの、氷の鍵盤が奏でる「絶対零度の音」がとりもつ「義理でもないけど、LOVEでもない」関係(「ホワイト・ピアノ」)。四季それぞれのイメージに彩られた四つのショート・ストーリーが綴る、思春期というにはまだ早い、あの特別な時間だけがもつ壊れ物のようなつかのまの煌めき。自転車とピアノ。二つのマイ・フェイヴァリット・シングス(私のお気に入り)に託された、切ないほどピュアな世界。何か大切なものが、ひっそりと編み込まれている。
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シロフォン トップ1000レビュアー
形式:文庫
「サマータイム」を初めて読んだのは、単行本刊行時だから15年以上も前! まだ十代で夏が一番好きだったわたしは、この季節に対して抱いていた気分・・・眩しさ、烈しさ、特別なことが起こりそうな高揚感、夏の終わりとともに感じる寂寥感・・・などが、見事に描かれていることに感激した。エピソードのひとつひとつが鮮烈で目に浮かぶよう。進、佳奈、広一ら登場人物がみないとおしい。文章が輝いている。この作家さんに一生ついていく!と思ったものだ。

それから長い長い時を経て、夏は苦手になった。それでも本書に描かれた海のゼリー、キョウチクトウの群れ、台風の日のプール、自転車、連弾、右手だけの力強いサマータイム・・・などは全く魅力を失っていない。自分にとって最高のイメージの夏が、本書の中にある。

本書には四季をテーマにした4作品が収められているが、そのとおり季節はうつろう。どんなに輝いたかけがえのない時間も留め置くことはできない。そのやるせなさが滲み出ている。けれど、確かに刻まれたものが永続性をもつこともまた真実だ。デビュー作(公募新人賞受賞作)で、この二点が矛盾しないことをうつくしく強烈な物語によって証明した著者はやっぱりすごい。

表題作以外の作品ももちろんすばらしい。人が人に向ける微妙な感情を丁寧に描いている。小道具、エピソードがどれも印象的。とても力強く、かつ、結晶のように繊細なきらめきを放つ作品集だ。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シロフォン トップ1000レビュアー
形式:単行本
表題作は89年度の「月刊MOE童話大賞」受賞作。加えて同賞の最終候補に残った「五月の道しるべ」の二篇が収められている。「四季のピアニストたち」という副題がつけられ、続編として『九月の雨』(表題作と「ホワイト・ピアノ」所収)が刊行された。手持ちの初版本とアマゾンさんの商品情報が微妙に違うので(初版本はMOE出版から。90年7月刊行)、版元の事情か何かで再発売されたのだろう。

当時、まだ十代で夏が一番好きだった。そしてこの季節に対して抱いていた気分・・・眩しさ、烈しさ、特別なことが起こりそうな高揚感、夏の終わりとともに感じる寂寥感・・・などが、見事に描かれていることに感激した。エピソードのひとつひとつが鮮烈で目に浮かぶよう。進、佳奈、広一ら登場人物がみないとおしい。文章が輝いている。この作家さんに一生ついていく!と思ったものだ。

それから長い長い時を経て、夏は苦手になった。それでも本書に描かれた海のゼリー、キョウチクトウの群れ、台風の日のプール、自転車、連弾、右手だけの力強いサマータイム・・・などは全く魅力を失っていない。自分にとって最高のイメージの夏が、本書の中にある。

季節はうつろい、どんなに輝いたかけがえのない時間も留め置くことはできない。そのやるせなさが滲み出ている。けれど、確かに刻まれたものが永続性をもつこともまた真実だ。デビュー作で、この二点が矛盾しないことをうつくしく強烈な物語によって証明した著者はやっぱりすごい。とても力強く、かつ、結晶のように繊細なきらめきを放つ作品集だ。
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