映画のコミカライズ版や小説版については、個人的に抵抗があったのですが、
この杉基イクラさんの「サマーウォーズ」全3巻は、非常におもしろかったです。
もちろん映画を元にして、話は進んでいくのですが、
ちょこちょこと、映画にはない設定が盛り込まれていて、
それが、不自然ではなく、蛇足でもなく、すんなりと読み進められました。
絵も違和感がありませんでした。
動いて音のついているアニメーション、紙の上の絵と文字で、無音で繰り広げられるマンガ。
映画がすばらしかったから、マンガじゃかなわないだろうと思っていたけれども、
マンガの良さもみつけられる作品です。
とてもきれいだし、静止画なのに、動きが伝わって来ました。
マンガならではのキャラクターのデフォルメも、かわいらしかったです。
人物とそのアバターを一緒に描いているシーンがあって、映画を1回見ただけでは
なかなか把握できなかった所が、ぱっとわかるところも、マンガの利点だと思います。
ただ、映画を6回見ているので、ここのアングル違うな、と比較はしてしまいましたが、
気にするほどではありません。
むしろ、映画にはない1コマに、目頭が熱くなることもありました。
キャラクターについては、映画版よりも、設定が細かく描写されていました。
特に、侘助に関しては、少しですが、幼年期が描かれていたり、屈折した養母への
感情が、映画版よりもわかりやすく描かれています。
健二については、物語が進むにつれて、たくましくなっていく様が丁寧に描かれていて、
感情移入しやすかったです。
夏希に関しても、最初の自由奔放な性格から、次第に周囲に目を向けていき、
健二の姿に触発されて、家族を守りたいという気持ちが大きくなっていく心情表現が、
とてもよく伝わってきました。
「映画版よりも」を、多く書き過ぎましたが、もちろん映画も大好きです。
その上で、このコミックを手にとって、本当によかったと思います。