出版社/著者からの内容紹介
チャーター魔術が栄える古王国。そこでは長年、魔術師たちの力によって、冥界から蘇ろうとする死霊たちが滅ぼされ、平安が保たれていた――はずだった。が、ここ数年、古王国とのあいだの壁を越えて、死霊たちが隣国のアンセルスティエールに出没するようになった。壁を越えて古王国に入っていった偵察隊は二度と戻らなかった。古王国の人間を見かけることがどんどん少なくなっていった。古王国で、冥界で、なにかが起こっている――。何者かが裏で糸を引いて大死霊たちを蘇らせ、死霊たちを操っているのだ。サブリエルは、アンセルスティエールの寄宿学校で学んでいる18歳。一見ふつうの少女だが、父親のアブホーセンは古王国で最も力のある魔術師で、彼女にも優秀な魔術師としての力が備わっている。古王国で治安に務めている父と会えるのは満月の夜だけ。父親の「影」が真夜中にやってきて、魔術の手ほどきをしてくれるのだ。だが、その夜、「影」はやってこなかった。代わりにきたのは真っ黒な人型をした化け物。化け物は父の剣と魔術の道具を届けにきたのだった。父の身になにかが起きたに違いない――サブリエルは単身、古王国に乗りこむことを決意する。
内容(「BOOK」データベースより)
古王国―アンセルスティエールの人間にとっては、その名を聞くだけで恐ろしいところ。そこでは、魔術がさかえ、死霊が徘徊し、冥界への扉が常に開かれている。古王国との『壁』に好んで近づく者はいない。古王国出身のサブリエルは、アンセルスティエール側の『壁』近くにあるワイヴァリー学院の寮に五歳のときから入れられ、十三年間、親と離れて暮らしていた。母は、彼女を産み落としたときに亡くなった。父のアブホーセンは古王国きっての魔術師で、蘇ろうとする死霊たちに永遠の死を与える務めを果たしている。その父が、サブリエルの卒業が間近にせまった今、失踪した。サブリエルのもとには、彼の剣と魔術の道具が、不吉な化け物の手によって届けられた。聞けば、ここ数年、『壁』の付近に出没する死霊の数が激増し、『壁』のむこう側で暮らす人々の姿がぷっつり見えなくなったという。古王国でなにかが起こっている―サブリエルは父を捜しに、単身、『壁』のむこう側に旅立った。1995年オーストラリア・ファンタジー大賞受賞、1997年度米国図書館協会ベストブック選定。