リュック・ベッソン監督の'84年作品です。
迷宮のように入り組んだ地下鉄の構内を駆け巡るチンピラのフレッドを主人公に、
そこに住む様々な人々の姿を切り取った快作です。
この作品に魅かれたのは、フレッドのかっこよさであるのは言うまでもないが、
実はそれ以上に良いと思ったのは、エレナという女性の純真さかも知れない。
彼女はフレッドに盗まれた書類を彼から返して貰いにやって来る。
なんと不自然な設定(!?)と思って観ていると、実はそれはきちんと納得のいく理由が
あった。
彼女は夫との贅沢な生活が厭になり、その生活をフレッドに盗んで貰おうとしていた
のだ。
彼女はじょじょに野良犬のようなフレッドに魅かれていく自分に気づく。
そして純真がアナーキーへと飲まれていくところが印象的だ。
やがて話の展開はフレッドがロック・バンドを作るという夢を実現させる形で進行し
ていく。
そして衝撃のラストシーン。
最後に笑うフレッドの姿が今も忘れられない。
その後、彼がどうなったのかは判らない。でも、総てが満たされた瞬間に、この映画
は終結している。
その一瞬の美学、これこそがこの作品がロックである由縁だと思う。
ps.ジャン・レノのドラムと、
ベースを弾くエリック・セラが観れます。