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登場人物が女性のみの「サド侯爵夫人」は、逮捕・投獄を繰り返す夫サドにあくまで貞節を尽くしながら、老いた夫がついに自由の身になると知るや離婚してしまった夫人の心理に迫る。
かたや男性ばかりの「わが友ヒットラー」は、ヒットラーが政権を掌握する過程で行った、極右と極左を一掃する恐るべき粛清が語られる。
対照的な一対はそれぞれ「不可解な女」「単純な男」を様式的に描き出す。サド侯爵の”悪徳”に共感できるか否かに左右される「サド」よりは政治的謀略をテーマとした「ヒットラー」のほうが万人向きといえる。
美意識の人が能弁に解き明かす侯爵夫人の「不可解」な行動だが、今日の視点で見れば、定年まで??れ添った妻に突然離婚を言い渡される”熟年離婚”そのものではないか?かつての「不可解」はいまや珍しくもない現象になってしまったのだ。
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