イスラエルに住むユダヤ人も、ケニヤのサバンナを横断して愛するチームを応援しに行く人々も、兵役をやりすごすサッカーを語るイラン人も韓国人も、やっぱり語っているのはボールを蹴る魅力なのであり、それが、もし子どもの頃からのものならば、年老いても、同じ魅力に取り憑かれているに違いないのかな、と。
いろんな「かつては子どもだった大人」の話が語られているんですが、個人的に印象に残ったのは、バイエルン・ミュンヘンのアカデミーに所属していながら、自分で才能の欠如を自覚していたカールの話。彼は常に動きの悪さを自覚させられていたのですが、雨の降る重いピッチの試合で、唯一のゴールを決め、そしてサッカーからの引退を決意します。
3得点したらキーパーを交代する 3 and you in という子どもの遊び方があるとか(p.37)、日本にいるパラグアイ人たちが集まってお互いの無事を確認するパラグアイ・カップみたいな試合が行われているとか(p.84-)、ガーナでは70以上の言葉が話されていて同じチームサポーター同士でも意志が通じないことがあるとか(p.126)、世界は広いな、ということがサッカーというたったひとつのゲームから浮かびあがります。