サッカージャーナリストである著者による、戦術の解説書第2弾。
トータルフットボールをテーマとした前作に引き続き、今回は消
滅しつつある戦術がテーマ。多数派である“弱者”の味方・カウ
ンター、マンツーマン、ロングボール。今も脈々と生きてはいる
が主流にははなれなかった戦術が満載です。
印象深い視点は以下の3つ。
「サッカーは、戦術的にはバスケットボールやハンドボールに遅
れている。しかし技術の進歩とともに、戦術も手を使えるボール
ゲームに近づくだろう。」
「ユーロ04のギリシャは、完全なマンマーク式で、どうやって攻
守のバランスを整え、攻撃に出てボールを失ったときの弱点をど
うやって抑え込んでいたのか。答えは簡単、ギリシャは攻撃しな
かったのだ。」
「バルセロナはパスをつなぐことに決め、ボールを保持する戦術
をすると決めた。クライフが種を蒔いてから20年あまりで、バル
セロナの哲学は思想になり、ちょっと宗教になりかかっている。」
「あんなものは、フットボールではない」なんて言われながらも、
不思議に勝っていた(97年頃のFIFA2位)ノルウェイの強さの秘訣
も、本書を読んで納得できました(答:大きな選手による規則的な
ゾーンディフェンスの徹底と、中盤右にターゲットマンを置く戦術)。
サッカーの見方が広がる一冊です。