トータルフットボールの理想像を追いかけたチームの歴史を追った一冊。
それぞれの戦術の優劣ではなく、トータルフットボールというある意味理想のチームの各時代での姿を描き出すのがこの本の内容である。
今となってはレトロフューチャー的なオランダ、合理主義との融合ACミラン、クライフの挑戦のバルセロナ、“ギャラクティコ”レアルマドリーの限界……、そしてハンガリーやオーストリアという過去。
それらのチームを軸にして、トータルフットボールへのアプローチが書き出されている。
トータルフットボールという理想のサッカーの成り立ちを知るうえで、まさに教科書のような一冊だろう。
そういった意味でこの本は、漠然と戦術だ戦略だと言って最強戦術論を戦わせたい人には正直イマイチ向いていない。
もちろん、戦術戦略に『?印』の人にも。
そのような戦術マニアではなく、フットボールの歴史や戦術の進歩を知りたいといったような、『真面目な』フットボールファンにこそ、ぜひこの本は読んでもらいたい。