“黒いチューリップ”ことルート・フリットを初めて知ったのは日本で開催されている1990年のトヨタカップだった。当時、イタリアのACミランに所属するフリットは前回大会こそ怪我で不出場となったが、今大会は連覇を狙うチームの中心となり、お馴染みのドレッドロックヘアのフリット帽子がファンの人気を集めていたように記憶している。そのヘアースタイルに加え、爆発的な瞬発力をもつフィジカルはフィールド上で異彩を放っており、後に知ったオランダ代表の主将としてチームを同国唯一の国際タイトルに導いたユーロ1988決勝でも、フリットを物語る迫力に満ちたヘディングシュートでゴールネットを揺らしている。フリットと言えば、クラブチームではミランのイメージが強いが、その後に移籍した同リーグのサンプドリアでも水を得た魚のように最高のパフォーマンスを披露している。それは、フリットが規律などを嫌い(移籍前はプレーするエリアを制限されていた)自由の中でこそ真価を発揮するプレーヤーだからである。そんなフリットの笑いの絶えないインダビューが、前途のプレーと共にこの作品(50分)には収録されています。最後にフリットの11人いるチームとマラドーナの11人いるチームとでは、どちらが強いか?という記事を読んだことがありますが、この作品を見る限りフリットに軍配が上がりそうです。1987年の欧州最優秀選手を受賞したルート・フリットのカリスマ性を是非、堪能してください。