「現代サッカーの最先端はもはや、個人か組織か、では語れないレベルにまで到達しているのです」。
個性か基本か?ゾーンかマークか?個人か組織か?よく問われる疑問に、この本の著者は明確に答えている。すなわち、「どっちも」。
南アフリカワールドカップの試合やヨーロッパで活躍する一流選手達のプレーを引き合いにしながら、今そしてこれからのサッカー界で求められる選手像を具体的に描き出している本。著者は日本代表コーチなどを歴任し、2006年から2010年まで日本サッカー協会技術委員長を務めていた。以前読んだ「サッカースカウティングレポート」が大変見事だったので、こちらも買った。
とにかく説得力がある。そして、わかりやすくて明快。視野と視野の駆け引き、スピード、ギリギリのパス、動き出しの早さ、アイディア、連動性、精度、オフザボールの動き、ポジショニング、ゲームを作る能力、サイドの役割の多様化、ラインコントロール、プレッシャーとカバーリング、最終ラインからの組み立て、GKの足技の大切さ。ポジション別にも丁寧に分析して、その役割の変化と必要なスキルについて述べている。
豊富なスカウティングの経験を活かし、優れた選手達の特徴を解き明かすことでサッカーの魅力を伝えることに成功している。面白かった。