レビュータイトル通りである。ただ、さすがにあの駄本と比べるのはこの著者にとって失礼か(しかし、未だにあの「宗教」をありがたがっている人間がいるのは困る。まるで会話にならないのだから)。
サッカーの戦術の大枠というのは、起用される選手の特徴と、その配置で決まってしまう。
これはよく考えれば当たり前のことで、逆に「わざわざ採用する戦術に反した特徴を持った選手を、戦術に反した配置で使っても意味が無い」と言い換えることもできる(一応言っておくが、あくまで「戦術の大枠が決まる」のであって、それで「サッカーが決まってしまう」わけではない)。
そしてそれを最も簡単に類型化したものが4-4-2等の数字で表されるような「フォーメーション」である。これを解説した本書なのだけれど、紙面の都合からか、はたまた基本的なフォーメーションを教えようとする立場からか(副題の3つが一応、サッカーにおける基本的なフォーメーションと言われている)説明不足が目立つ。
例えば今回のW杯で日本が採用した4-1-4-1だけれど、これについての解説がない。wikipediaの「サッカーのフォーメーション」に書かれているような「4-3-3のウィングを下げたもの」ということなのかもしれないが、理論的には4-4-2のFWを一人削り2ラインの間においたと考えたほう理解しやすい。また、フォーメーションは、数字上のものと実質のものが違う場合も多い。確認しやすい例もあげると、トルシエジャパンのシステムを考えるとき、実際の事象は3-4-1-2で考えるよりも4-2-2-2(4-4-2box)として考えたほうが理論として適当である(逆に言えばトルシエのシステムに対してこういう視点を持たない批評は無効である。あまり語る価値もない監督だとは思うけれど)。
もう少し詳細な著述をしたものを著者には望みたい。
余談
あくまで簡易的にだが、少し楽に、フォーメーションを感覚的に掴む方法をひとつ。
システムは基本、横に4人でスペースを埋められる、という事になっている。そしてブロックを作るために2ライン必要である。また、最前線の人数は横や後ろからの動きのスペースを開けておくために、3人が普通は最高人数になる。そうなるとスペースを考えた際、一番バランスの取れた陣形は4-4-3となる。この4-4-3から一人省いた場所にスペースが生まれると考えられる。これを利用すると、4-4-2が「基本的なフォーメーション」と言われている理由がわかると思うし、4-3-3や3-4-3が「攻撃的な布陣」と言われる理由もある程度は理解できると思う。勿論これだけでは理解出来ない物も多いので(人とスペースを玉突き的に動かして考えればいいのだけれど)お遊び的に、ではある。