大昔に見たときは意味も深く考えず、ただ踊って歌うバカ映画のようにしか感じませんでした。
主人公の年齢を過ぎ、あの頃を冷静に振り返る事ができるようになってから見返すと素晴らしい脚本ですね。
地元で鬱々とすごし、輝きを放てるのは週末のディスコのみ。
普段はさえない店員で、未来の自分の姿は同僚を見ればわかる。
仲間たちと一緒に過ごしているときには車を見ていたりするが、それは絶対に手にいれることはできない。
ジョン・トラボルタの自分はいったい何をやってるんだろうという視線の演技が素晴らしい。
また鬱屈した感情は他者への暴力に向かう。
この映画では移民でしたが、日本で例えれば暴走族同士、地方のバカ高校同士の喧嘩のようなものか。
ブスなヒロインが登場することで外部の、自分より上の人間と出会う。
喫茶店での「あなたこの本を読んでないの?こんなことも知らないの?」みたいな背伸びもあの頃にはやりがち。
痛々しくて、懐かしかった。
仲間の中ではキングなのに彼女の前ではヘタレになる演技もかわいい。
引越しの時にヒロインが年上の男から「この本を読めよ」といったような姿をトニーに見られ、ヘタレになるのも面白い。
彼女も成長しようと必死に背伸びをしている最中なのだ。
ディスココンテストで実力的に完全に打ちのめされたのに、相手は移民という理由で優勝する。
そこで徹底的に自分がキングだった世界がショボイ、虚構だと気づく。
仲間の死のあとにスパッと彼らと別れ、地下鉄に乗って都心を目指す。
地元からの旅立ちなのだ。
観ていて胸が締め付けられるような素晴らしい映画でした。