もはやアルジェントに全盛期の演出の冴えは全く感じられない。
3部作と言えどサスペリア、インフェルノと同列に並べられない稚拙な映画だと感じた。
一番の原因は脚本。最近の作品に共通して言えることである。
1.魅力のない登場人物
2.状況をやたら言葉で説明
特に2は気になって仕方ない。あれだけ言葉を使わずとも演出できていた監督が・・・一体何故??
前二作はとにかく『言葉が少ない』映画だった。
原色と異様な効果音と不気味な旋律を巧みに駆使して観る者を恐怖の世界にどっぷり浸してくれる力技があった。
アルジェント全盛期の映画は説明不足や矛盾が返って気味悪い感覚に落としてくれる、正しく『恐怖』があった。
悪い夢をいつまでも見せつけられるような恐怖が・・・
残念ながら最近の作品同様今回・・・も・・・そのまとわり憑くような恐怖は皆無である。
残酷描写はある。が、ストーリーの弱さに付け加え恐怖感を盛り上げる演出が足りないために、無理矢理挿入されたような浮いたシーンになっている。
デスサイト、ドゥ・ユー・ライク・ヒッチコック・・・作れば作るほど演出に衰えを感じてしまいファンとしては悲しくて仕方ない。
次回作は『ジャーロ』・・・
歓びの毒牙やわたしは目撃者、サスペリア2等のように、本当の意味でアルジェント自身が原点回帰していただく事を切に祈るばかりである。