定年前後等を的にした税金、保険、年金等々の指南書は数多く出版されている。そして多くが読者のレベルに合わせて簡単にわかりやすく書かれており、内容も全てを網羅しているが大雑把すぎる書が多い。一方で本書は、公的保険制度と具体的な家族で発生しそうな事象を56のエピソードとして、内容も微に入り細に渡り非常によく考えて書かれていることに驚いた。「公的保険」は、「社会保険」として(1)医療保険(健康保険や国民健康保険その他)、(2)年金保険(厚生年金、共済年金、国民年金)、(3)介護保険、また「労働保険」としては、(4)労災保険、(5)雇用保険に分れ、図や表が効果的によく示されている。またタイトルにある「サザエさん一家の」だが、フグ田家(マスオ、サザエ、タラ)、磯野家(波平、フネ、カツオ、ワカメ)、波野家(ノリスケ、タイコ、イクラ)、いささか家(いささか、お軽)の12名の登場人物関係が巻頭に系図方式で詳しく書かれている。前提条件が非常によく理解出来て、各々のケーススタディの説明にはわかりやすい。例えば、、マスオさんが第2子の為に育児休暇を取ったら?、カツオ君がフリーターの時に国民年金保険料の免除申請しなかったら?、波平さんが退職勧奨を受けて退職したら?、フネさんと波平さんが熟年離婚したら?等々の如く極めて具体的な家庭内相談であることから、甲乙丙やABCでは味気ないし、そもそも前提の関係をエピソード毎に説明しきれない。本書にある56項目は生活に身近であることが多く、国民として自己防衛の為にも、人生設計の為にも、この際全て知っておくべきものと思う。