筆者は、メディカルケア虎ノ門院長でうつ病の復職支援デイケアプログラムと診察治療を行っている。また、うつ病リワーク研究会を主催するうつ病復職支援の第一人者である。
3章構成の第2章で、メディカルケア虎ノ門で行われているデイケアプログラムが詳細に紹介されている。現状では、全国的にもこのレベルでのデイケアが受けられる施設数も受け入れ人数も限られているので、デイケアに参加できない人には何をどのように行えば良いか非常に参考になると思う。第2章末のコラムで紹介されている「ワークライフバランス」と言う考え方が重要ポイントで、第3章につなげる上でももう少し深く掘り下げて欲しかったと思う。
第3章は、「復職後の心得」と「ひとりデイケア」のすすめになっていて、復職までの過ごし方や再休職予防の心得集。休職中や失職中の経済的な支援のような実生活に役立つ情報もある。デイケアを卒業し、復職しても「セルフマネジメント」を続けることが大切とのことだ。
第1章が、「うつ病」と診断されたときぜひ知っておきたいこと。
しかし実際には、「うつ病」と診断されるまでが大変。Q&Aの内容は良いが、発症して病名がわからず、どこを受診すれば良いのか悶々として体調不良に絶えている時期が存在する。患者目線ではなく、医師目線なところを感じる。いずれにしても治療と休養が必要な時期で、焦って職場復帰を考えてはいけない時期の過ごし方である。
この治療休養期から徐々に職場復帰に向けて活動量を増やすタイミングの見極めが難しい。2週間に1回(or 1週間に1回)の5分診察では、どんな名医でも正確な判断は出来ない。第2章にあるようなデイケアプログラムで「負荷」をかけ、体調、症状に問題が無いかどうかを観察しながらの判断が必要である。デイケアとは、一種の負荷試験であり正確に回復状況を診断する為にも必要不可欠なプロセスと言って良い。