2011年サクラ大戦デビュー15周年を記念し、同年10月7日に日本武道館で開催された「サクラ大戦 武道館ライブ2〜帝都・巴里・紐育〜」を全3枚のCDにライブ録音されたものである。間もなくライブDVD・ブルーレイも同日発売されるが、これらは完全受注生産限定品であり、本CDは一般発売されなおかつ3枚組で3500円という値段からすると、ライブ会場に足を運んだ人にも運ばなかった人にも、なかなかのお値打ち品だといえよう。
前回2007年5月13日の「サクラ大戦武道館ライブ〜帝都・巴里・紐育〜」の最後で、真宮寺さくら役横山智佐が「次は東京ドームでお会いしましょう!」と高らかに宣言していたものの、結局東京ドームライブは実現ならず、再び武道館での開催とはなったが、前回ライブより出演キャスト数が増え、規模も含めて15周年という大切な節目から、大盛況を収めたものだというのは、音のみ・映像のないCDからも存分に窺えることができる。
ソレッタ織姫役岡本麻弥や各サブキャラを始め前回ライブには出てこなかったキャストも今回ライブは大勢出演したりと前回ライブより「オールスター化」が本格化されたり、三都サブキャラ全員で歌われる本ライブ用新曲「Around the青春!」や、サクラ大戦4エンディング曲「君よ花よ」の三都ヴァージョンが披露されるなどのうれしい演出もたくさんあった一方で、キャストの中には薔薇組太田斧彦役の郷里大輔のように故人がいたり、帝都スーパー歌謡ショウファイナルには出演した米田一基役の池田勝が出演しなかったりと、「パーフェクト」「サクラ完全オールスター全員集合」にはなかなかどうしてもいかないものである。
曲数も前回ライブの41曲から31曲と10曲も減っているものの、曲と曲との合間の拍手のボリュームやコント、特に新曲「Around the青春!」にタイアップした大河双葉役笠原留美の迫真の笑劇等々、CDでも楽しめる要素はふんだんにあり、とりわけ当日ライブに行けず、DVD・ブルーレイ予約もできなかった人にとっては、このCDは手軽に当日のライブ空気を「音」で感じ取ることができる貴重な3枚組だ。
本CDの若干残念な点を挙げるとするならば、一つ目には、前回ライブCDの歌詞カード1枚目には、総合プロデューサー広井王子と音楽監督田中公平のコメントが掲載されてたものの、今回は両氏はもちろんのこと製作者側のコメントが何一つないこと、二つ目には、前回ライブCDのDisc3はCDエクストラとして、舞台風景写真16枚が収録されPCで見られそこが「舞台風景の一部可視化」を補完していたものの、今回はCDエクストラはなく完全に音のみの収録で、舞台風景は歌詞カードそれぞれ3枚裏側とCDケース裏側の写真からしか窺えない、というところだろうか。
また、単純にライブ当日の演奏・コントをそのままCD3枚に録音しただけなので、DVD・ブルーレイ版にあるような「特典モノ映像」といったものが一切収録されない・収録できないのは、CD版であるため仕方がないといえよう。
音楽CDとしては、サクラファンにとってはおなじみの田中公平メロディーにひたすら戯れることができる3枚組である。その一方で、通常発売されている、万全を持してのスタジオ録音のもろもろのサクラシングル・アルバムと比較すると、一発勝負のライブなのでキャスト自身の声のピッチ下がりや重唱・コーラスでの和音が合っていなかったり等々、スタジオ録音並みの「高音質」は期待してはいけないのは承知しなければならない。
しかし、おなじみのサクラ名曲を始め、Disc2新曲「Around the青春!」や、Disc3「君よ花よ(三都ver)」の、帝都巴里両花組と紐育星組のコラボした新ヴァージョン、前回よりも帝都花組以外のキャストが生かされている終曲「夢のつづき」(歌詞ヴァージョンは前回ライブと同じ)を聴くと、音のみのライブCDであっても、デビューから15年間も続いた「サクラ大戦」という作品・シリーズの大きさと、オールスター15周年記念武道館ライブを開催できたことに感心・感服せずにはいられなくなってくる。
なお、サクラ大戦といえば、かねがね「次回作は?」「新作は?」「今後どうなる?」等々の「期待」が方々で語られているのは、サクラファンの間では常套となっている。詳細はネタバレになるので書かないが、本ライブの「夢のつづき」フィナーレ後の挨拶では、「サクラの今後」や「次回ライブ」についてどのキャストも「具体的な明言」を避け、ただ「今後も応援よろしく」の趣旨の文言で留められているので、その辺りはあまり深く突っ込まない方が精神衛生上よろしいかとも思われる。
本CDジャケット帯紙も、某既出シングル一枚の「絶賛発売中!」紹介のみで、新シングル・アルバム発売予定告知は一切ないことを断っておく。