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24 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
変わったタイプの小説,
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レビュー対象商品: サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫) (文庫)
「能力者」と聞くだけで「バトル物」の作品というイメージを持っている人が多いと思います。本作にも一応バトルのようなシーンはありますが、作品全般としてはほとんどバトルはありません。ちょっと変わったタイプの能力者物の小説ですね。 ミステリー要素が多く、序盤から伏線がいくつもありますが、この1巻で全ての伏線を回収し、完結しているので、しっかりまとまっていて完成度が高いと思います。 また、本作に登場するキャラ達は暴力的な言葉をほとんど使わないため、読後感もすっきりさわやかで良い作品です。
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
それ自体に意味はなく、それが引き起こす行動に意味がある,
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レビュー対象商品: サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫) (文庫)
見かけは三人称の文体なのだが、実際は浅井ケイと春埼美空、二人の高校生の視点で交互に語られている。二人が住む咲良田は、一見するとただの沿岸の地方都市。ただ一点、住民の半数以上が超能力者だということを除くならば。そして、浅井ケイは全ての記憶を忘れない能力、春埼美空は三日だけ世界を巻き戻すリセットの能力を持っている。 超能力者といえばバトルものという展開を想像しがちだが、いきなりそうはならない。何せ二人の能力はバトルに直接役立てられるようなものでもない。だから彼らの下に来た依頼も、死んだ猫を生き返らせて欲しいという、一見平和で、でもある意味、過去を捻じ曲げるという無謀なもの。しかしそれが出来てしまうのがリセットという能力だ。 この依頼は単なるきっかけに過ぎず、それ自体に意味があるわけではない。すべてが終われば、まるで何もなかったかの様に世界は平穏を取り戻す。重要なのは、きっかけによってはじまる人との出会いであり、それが引き起こす悩みであり、過去の記憶を掘り起こして後悔することであり、何かを変えようと動くこと、それ自体である気がする。 本当は何も起こっていないのかも知れない。だから、どんなに能力を駆使しても、何も変えられないことはある。しかし一方で、少しは変わる部分もある。そしてその積み重ねは周りに影響を与え大きなうねりとなる、こともあるかもしれない。 派手な物語ではない。世界が決定的に変わることもない。ただ、静かな物語の中にも何か大きな動きがある。そんな感じの作品です。
32 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人の優しさには、無条件で肯定されるだけの価値がある。(本文より),
By zokki (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫) (文庫)
『能力者が集う町』『リセット』『管理局』『Aランク』こうやってキーワードだけ並べてみると「はいはい今時の中二病セカイ系ノベルですね」って感じ。 だけどこの作品はとても繊細な「優しさ」や「いたわり」で満たされている。 基本的な意味での「真面目さ」と言っても良いかもしれない。 「世界中の人が幸せになりますように」と密かに祈るような。 「セカイ系」は平凡な日常をそのまま世界の命運に接続してしまう。 そのダイナミックさが「セカイ系」の大きな魅力だけれど、本作の主人公である浅井ケイはその平凡な日常の方をとても愛して、大切にしようとする。 そして平凡な日常を幸せに生きていくために必要なのは、「超能力」や「超科学」ではなく「優しさ」や「いたわり」だ。 この新人作家のデビュー作となった「セカイ系」小説は、日常を舞台にしつつも実は日常をないがしろにしつづける「セカイ系」ムーブメントへの、静かなカウンターなのかも知れない。
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