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著者は、桜好きのノンフィクション・ライターで、「平成12年の春、サクラ前線とともに日本列島を縦断した。大阪城公園から函館の五稜郭まで、約1ヶ月かけて76ヵ所のサクラの名所を訪ねて回った」というプロローグからこの本は始まっています。
私が、定年後にしたいことの一つに上げられるのが、著者と同様に日本中のサクラの名所を訪れるということです。私が愛してやまない「満開の桜」には、人々を魅了する不思議な力が存在しているようですね。
この本では「ソメイヨシノは、ヤマザクラやエドヒガン(彼岸桜)のような野生種ではなく」、「人間が増殖してきた園芸品種」であること。そして、「樹木が生育する環境としては最悪といっていい都市部に、狭い間隔で植えられている」ため、「園芸品種としてのいくつも弱点を持っていることを誰も気にとめていない」ことを書いています。
その中で、日本一の桜の名所として評判の高い、青森県の弘前公園を取り上げて、桜の生育に関わってこられた方を取材し、その苦労も含めて丹念に描いています。ノンフィクションだけが持つ感動をこの著者はうまく伝えているように思いました。
全国各地でのお花見は、春の風物詩でもありますね。ただ、浮かれてばっかりはいられないと読後に思いました。今後枯れていくであろう全国のソメイヨシノに対して、我々は今、何をなすべきかが問われていると感じました。