このフィルムへの最大の不満は、70年代以後ロリンズのお約束ライブチューンとなった
「Don't stop the carnival」の映像の扱いにある。この一点に尽きると言っても良い。
アルバム「G-MAN」にも収録された同曲(1986 NY OPUS40でのライブ)は、後期ロリンズ出色の演奏で、
ロリンズの循環奏法や若きマービン・スミッティ・スミスの変態的ドラムソロを含む「ブリブリ・モリモリ」
のロリンズを代表する快演の一つだが、フィルムではこの歴史的名演をノーカットどころか、
適当なエンドロール扱いにして編集しまくり、曲の途中にインタビューやスタッフ名(字幕ではなく黒バック)
を挿入し、エンドロールとしては扱いにくい美味しいところはカットするという「生殺し」な編集をしている。
監督のロバート・マッジは自ら「ミュージック・フィルムメーカー」を名乗っているようだが、
禅や東洋思想への傾倒、交響楽団との共演などにロリンズの魅力の秘密があるとでも思っているのだろうか?
何故ロリンズがこの曲をお約束ライブチューンにしたのか、むしろこの点にこそロリンズという快楽の秘密
−いやそれは秘密でも何でもなく実にあからさまなのだが−が明らかにされていると思うのだがどうだろう?
文字通り(監督の恣意で)「カーニヴァルを止めるな!」と叫びたくなる酷い編集にハラワタが煮えくりかえる思いがする。
願わくば、ノーカット版の「1986 NY OPUS40」ライブのDVDが発売されることを望む。