巻末に収録されている、大瀧詠一氏との「語り下ろし特別対談」が断然面白い。
出だしこそ読者を意識してか、分かりやすいように話している様子でしたが、徐々に「大瀧さん」と筆者「柿ちゃん」の世界へ。もう、私のような素人には「そうそう」なんて同調できない「マニアック」さ満載。大瀧師匠が師匠たる所以が随所から伝わってきます。
2011年3月21日発売のリマスター盤「A LONG VACATION 30th EDITION」を聴くと、2001年の「20th Anniversary Edition」の高音質路線とは明らかに違った仕上がりになっていますが、「原音はわたしの頭の中にある」と語った大瀧さんのたどった過程なんて、ちょっと感動ものです。
本編は、デジタル・オーディオについて機材開発も手掛けた技術者ならではの実例等を加えながら、シンプルに読みやすく解説されています。
専門用語の辞書的な使い方も出来るし、スタジオ・エンジニアを目指す人達が、一歩踏み込んだ生きた知識を得るのにも最適な一冊ではないでしょうか。