これほどさまざまな年代、そして多くの人々に愛されてきた映画も珍しいのではないだろうか。このミュージカル映画は、さまざまな名作ミュージカルを手掛けてきた、R.ロジャースとO.ハマースタイン2世のコンビとしては最後の作品となる。
そのストーリーは省略するが、何と言っても、この映画ではアカデミー主演女優賞を得たジュリー・アンドリュースが輝いている。そしてマリアを想う子供たちの表情のなんと生き生きとしていることか。また、「ドレミの歌」や「ひとりぼっちの羊飼い」「もうすぐ17才」など劇中で歌われるナンバーはすべてが名曲と言ってよく、また歌われるタイミングが不自然でないのが何より良い。私はこの映画を何度となく観てきたが、観るたびにどこか新しい発見があるような気がする。
まだ観ておられない方があれば、ぜひ見てほしいと思う。個人的には「マイ・フェア・レディ」とともにダントツに好きなミュージカル映画だ。
なお、監督ロバート・ワイズによると、この映画のオープニングの撮影に使われた丘には当初あのような草原ではなく背の高い草が美しく波打っていたらしい。ところが、ロケ撮影に気を良くした地主が、撮影直前にそれら草たちをきれいにカットしてしまったのだ。ワイズ監督はがっかりしたらしいが、いずれにせよこの地は本当に美しい。このロケはザルツブルグ郊外のドイツ領で行われた。