熱帯と化した東京。じっとりと熱い空気に取り囲まれた東京は、ソフトな管理とどうしようもなく出口を見つけられない閉塞感に囲まれた現在の東京の喩え。
取り囲むものの顏も見えず、閉じこめられた理由も自らの手では防いだり、回避したりできない。
「トウタ」と「ヒツジコ」と「レニ」は、コインロッカーのように閉じられた東京を破壊した「ハシ」「キク」「アネモネ」と姿を重ねる。
映画。ダンス。音楽。サウンドトラック・レス。ガイジン。鴉。豚。犬。娼婦。
開放感に満ちあふれた今を破壊しようとする意志とスピードは、読んでいて気持ちが良い。
現実的と言う意味ではないリアリティが、本の中に溢れている。
物語の展開にカタルシスを得る物語ではないけれど、今この場所を壊してしまいたいと言うこの底にある衝動と共鳴する物語だ。
十代に読んで欲しい。
マンガのように不抜けていない。物語の衝動とスピードに触れて欲しい。