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久保田早紀の作品には一貫して「ここではない、どこか」に対する渇望が見られる。自ら「異邦人」であることを自覚した久保田早紀は、心の平静を「天界」に求めたもののそれは見つからず、このアルバムでは異国の中に感じる郷愁(サウダーデ)に身をゆだねようとしている。
この『サウダーデ』、驚くのはそのポルトガル録音(前半の5曲)はすべてポルトガルギターなど、哀愁の効いたギターのみのバックなのだけれど(アレンジをは萩田光雄氏)、全く単調になることもなく、久保田早紀のメロディーや詩の世界とぴったり合っている。驚くほどに全くの違和感がない。
アナログで言うA面では、ポルトガル録音ってことを意識したのか、ヨーロッパでの風景を切り取ったような歌が並ぶ。ここでは久保田早紀の詩の才能があふれている。まるでストーリーテラーという感じ。
このアルバム、A面はポルトガル録音、B面は東京録音ってことで、A面とB面のギャップが心配されるところなんだけど、不思議とそんな違和感を感じない。多分、”郷愁”(サウダーデ)っていうテーマを音楽的にも詩的にもなぞっているからだと思われるけど。。。それが、ポルトガルギターで表現されても、B面のように萩田さんお得意のオーケストラを大きくフューチャーしたサウンドになろうとも。。。
B面のオープニングは、大好きな「サウダーデ」。まるでヨーロッパ映画の主題歌にしても似合うようなメロディーとテーマ。う~ん、美しい。というか、この曲自体が、まるでこの頃の久保田早紀のテーマソングって言ってもいいかも知れない。
とにかく、このアルバムは久保田早紀の傑作アルバムでしょう。孤高のシンガー、久保田早紀の孤高の美しさがひっそりと、でも力強く咲き誇っている
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