「喫茶店、サウダーデの店長、芳乃さんは、マナーの悪い客に注意する。五人以上の団体客は断る。カフェラテにブルーベリーシロップは、いれない。」という、この本のコピーを見たときは、なんだかちょっといやな店かも、と思いましたが、中身を読んでみて、やっぱり私はこのひとの漫画が好きなんだなあ、と考え直しました。
スパッと短く、効果的に叱る、ということは、相手のプライドをつぶしもするけど、相手のこころの底にある「ゆがみ」も同時に指摘するのだと、この短編集は気づかせてくれます。現実に、そんなにうまく叱ることができる人はそういないだろうけど、この漫画にはどこか「ただの作り話」と違う、ほんとに体験したような肌ざわりを感じさせてくれます。
人を叱るとき、ヒステリーにかられて乱暴に拒絶の言葉をなげかけるのではなく、たんたんと、相手とともに過ごしながら「ほんとのことを言う」。
その特徴は、この作家さんの作風そのものでもある気がします。
この物語は、どうやら、同じ著者の「繕い裁つ人」という作品をすでに読んでいること、を前提にしているようです。(別に読んで無くても話はわかるのですが。)
この店の料理や飲み物はとてもおいしそうです。(小さいお店なので、あんまり長居はできない感じですが、お客のいない時間帯なら、本を読んでいても許してもらえそうです。)
表紙の紫色がとてもきれいで、それに色をあわせた「こしまき」も感じがいいです。