プロ野球界を舞台にした異色のミステリ。
主人公はアメリカ帰りでチームになじめない(年齢的には若くない)若手投手。
身に覚えのない八百長疑惑に巻き込まれ、汚名を晴らすために自ら調査に乗り出す・・・。
ミステリとしては終盤明かされる謎が取り立てて驚くべきものではないのは欠点。
(真犯人が誰か、途中で予想できてしまったし、その動機も、その程度で
こんなことやるか普通?と思ってしまった)
面白いのは、主人公がただの野球選手であって探偵でも刑事でもないので、真相に
たどりつくまでうだうだうだうだ回り道するところ。話を聞きたい相手に逃げられるし、
けんかには負けるし・・・。
もうひとつ、減らず口をたたきながら孤独(しかし女は寄ってくる)に闘うという
ハードボイルド風の読み物としても楽しめる。
若干、その外国映画風の軽口が、場面の中で浮いているのは気になるが・・・。
テーマもユニークだし、筆力は十分なので、この筆者の今後に期待します。