価格には不満があるけど、これだよ、これ。
上映時の併映は「ワタリ」だった。
そして、本作の封切りにあわせて、少年マガジン誌上で「009」の最高傑作である「ヨミ編」が連載された。
当時、小学生であり、夏休みに今はなき母親に連れて行ってもらって観た。
最終日だったので、ワタリの看板というかディスプレーも貰った。
非常に思い出のある作品である。
さすがにジョーの設定が、鑑別所からの脱走者ではなく、レーサーとなっている。
この映画版を元にしたサイボーグたちの誕生ストーリーは、たしか当時の別冊少年マガジン誌に掲載されたんじゃなかったかと思う。
本来の、少年キング版を知っている少年たちには、ありゃありゃ、という感じだったであろう。
しかし、なによりも「009」が大スクリーンの中で動いているということに、当時の子供達は大感激したのだ。
アニメが当たり前の今の子供達には、この感激は分かるまい。
原作とのタッチの違いや007の幼児化なども気にならないほど、興奮したものだった。
今観たら、動きはぎくしゃくしているし、デフォルメというのにはデッサンがめちゃくちゃだしと、突っ込みどころはたくさんある。
しかし、それでも、この立体感のないシンプルな絵こそ、まさに動画だったのである。
そして、併映された「ワタリ」の原作とは全く違うパンクさともあいまって、今でも本作を映画館で観たときの暑さ、市電とトロリーバスが走っていた街角の風景を思い出すことができる。
愛すべき、思い入れのある作品なので、評価は高くしたい。
「白蛇伝」や「西遊記」の東映動画としては、かなり手を抜いたアニメかもしれないが、その少々荒っぽいところもまた、適度にアクションものらしさを醸す要因となっている。