著者の『第1版に際して』でCyberneticsの定義が記されていますので、まず、それを紹介します。
「われわれの状況に関する二つの変量があるものとして、その一方はわれわれには制御できないもの、他の一方はわれわれに調節できるものしましょう。そのとき制御できない変量の過去から現在にいなるまでの値にもとづいて、調節できる変量の値を適当に定め、われわれに最もつごうのよい状況をもたせたいという望みがもたれます。それを達成する方法がCyberneticsにほかならないのです。」
電気工学を学んだ(あるいは学んでいる)人であればすぐわかるようにこれは自動制御の領域に他なりません。
本書の第I部を読む上で念頭に置くのがよいのが、「人間を制御系の一部として組み込んだシステム」のことです。本書の第2版が発行された当時でも、多くの自動制御が人間の介在を必要としていた時代でした。本書は人間がどのような特性をもった制御システムの中の構成要素であるかの理解を助け、その人間の行っている部分を機械化する上で必要な視点を与えるものとなっています。
< 目次 >
第I部
序章
第1章 ニュートンの時間とベルグソンの時間
第2章 群と統計力学
第3章 時系列、情報および通信
第4章 フィードバックと振動
第5章 計算機と神経系
第6章 ゲシュタルトと普遍的概念
第7章 サイバネティクスと精神病理学
第8章 情報、言語および社会
第II部
第9章 学習する機械、増殖する機械
第10章 脳波と自己組織系