現在、彼らを治療する薬物はない。精神療法も認知行動療法も効果がない。それどころか、むしろ病態を悪化させることが知られている。こうした働きかけを巧みに取り込み、獲得した知識を逆用して、次なる悪行へと手を染める。
したがって、彼らはどこにおいても処遇困難となり、医療からも刑事司法からも見放されている。
日本においては、サイコパスは長年タブー視され、彼らについて学術的に論じることさえまともにできない状況に現在ある。
では、われわれは、このまま手をこまねいているしかないのであろうか?
訳者は、現代の脳科学・神経科学の技術を駆使すれば、サイコパスの病態を解明することは不可能ではないと確信している。また、その知見をもとに彼らを治療できる日が来ることを信じて止まない。
本書は、サイコパスに関する最先端の知見がほぼすべて語られていると言っても過言ではない。
司法先進国における研究がどれだけ進んでいるのか、是非、知っていただきたい。
特に、偏見に束縛されていない若い研究者や学生に読んでいただきたい。そして、困難ではあるが実りの大きいこの領域に、多数参入してきていただけることを強く期待する。
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