これまでわりと低く評価されていたが、見直してみると十分面白く魅力的な作品。粗削りで、良い部分と悪い部分がごちゃ混ぜなところも魅力の一部と思えばいいのだろう。特に前半が面白く、ゴールドフィンガーの歪な性格を描写するマイアミビーチのジン・ラミーのシーンと、ゴルフのシーンは、シリーズでも白眉の面白さではないか?
大金持ちのくせに、ジン・ラミーとなるとチープで大掛かりなイカサマをせずにはいられないゴールドフィンガー。そしてゴルフのシーンでは、金塊を放り投げて心理的に揺さぶったり、ロストボールのトリックや騙しあいなどの小粋な駆け引きを重ねてゴールドフィンガーの性格を描写していくあたり、一瞬007映画である事を忘れてしまうほど、良く作りこんであるなあと思います。
ところが舞台がスイスに移ったあたりから次第にトーンダウン。いかにも面白そうに始めておいて以外に盛り上がらないスイスのシークエンスに続いて、舞台がアメリカに移り、長すぎて退屈なゴールドフィンガーの牧場でのやり取りなど、どうしてもこのあたりで間延びしてしまう。
でもグランドスラム作戦が始まったあたりからは、もう一度新規まき直しの感じでクライマックスに向けて再び盛り上がっていきます。
このように完成度としてはいまいちですが、記事タイトルに上げたキザなセリフや、金粉で塗られた死体など、魅力にあふれた作品。楽しめることは請合います。