本書がデビュー作。
「ゴールデン・アワー」とは一般に視聴率の高い時間帯のことですが、
本作では人生の黄金期(青春時代)とドラァグ・クイーンのショータイムにかけられているようです。
鳴瀬のアルバイトがドラァグ・クイーンという設定をのぞけば、時代が昭和でも違和感がありません。
古いのではなく、いつの時代でも変わらない「正しさ」がテーマなんですね。
文章はすこし理屈っぽいところがあるものの全体にリズムがあり、気持ちよく読めました。
明るく爽やかでもエロシーンはちゃんとエッチです。
鳴瀬のお母さんが結構な存在感。身近にモデルがいるのかなと思うくらい生き生きしていて、母と息子の会話も面白い。
ただ、「軸のはずれた」逸脱をしていた鳴瀬が大人の規定路線にあっさり着地したのにはちょっと拍子抜けしました。
鳴瀬は、安斎のまっすぐな気質を「自分にはない」と思っていますが、いやいや、彼もじゅうぶん真面目で健全ですよ。
本格的な悪意や毒がないと言う意味で初心者向けのBL。
私は作者がエロを楽しんで書いているのに好感が持てました。次作も出て欲しいです。