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92 人中、74人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
冴えわたる伊坂幸太郎ワールド,
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レビュー対象商品: ゴールデンスランバー (ハードカバー)
伊坂幸太郎の14作目に当たる本書は、2年ぶりの書き下ろしで、しかも1000枚、単行本にして501ページにも及ぶ久しぶりの大長編である。
メインのストーリーは、首相爆殺の濡れ衣を着せられた男の逃亡劇である。 第一部「事件のはじまり」、第二部「事件の視聴者」を読んでいると、青柳雅春という奴は本当に犯人で、悪い奴だと思い込まされる。これが実は普段われわれがマスコミを通して知る“事実”なのだ。 第三部の「事件から二十年後」というルポで「おや?」と思い始め、本書のメインである第四部「事件」に入り、リアルタイムで事件について語られ、青柳の逃亡劇を読み進むうち、彼の実像と“本当のこと”が分かる構成になっている。 とにかく、逃げる!逃げる!青柳、そして彼を直接的に間接的に助ける仲間たち。とりわけページを割いて登場するかつての恋人樋口晴子の活躍は印象的だ。 そして、伏線と過去のカットバックが効果的に取り入れられていたり、人を喰ったような意外性もあったりして、行間からは“伊坂エッセンス”が溢れている。 本書は、「現時点での伊坂小説の集大成」と呼ぶにふさわしい大作で、伊坂ファンもそうでない人も、きっと時を忘れて読み進んでしまう、そんなリーダビリティーを持った一冊である。
72 人中、58人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
評価が完璧に分かれる作品,
By
レビュー対象商品: ゴールデンスランバー (ハードカバー)
伊坂幸太郎らしく高評価が多いのであえて反論する側からレビューを書きます。
既に★2つ以下の方々が書いてるのであまり書きませんが、首相暗殺を主人公に濡れ衣を着せる理由、その主人公が数年前にアイドルを助けて有名に なってる意味、主人公を助ける人(モトカノはともかく)の理由、特に殺人犯が応援してくれる理由、街中で銃をぶっ放すほど主人公に罪をきせねば ならない組織の存在理由、すべて何も解決しません。主人公と彼を逃がそうとする人たちの心温まる話・・・であれば納得。 これはミステリーではないと思います。僕は伊坂幸太郎のだらだらしながらも繊細な文章が好きなのでまあこれもありかなとは思います。まあ現実に 強大な組織が一個人を犯人にしたてあげようとすれば逃げるしかないのですが・・・。 わかってはいますがが、結末を求める方はご注意を。
105 人中、84人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
過去を称えるやさしさにあふれている傑作,
By 鈴 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ゴールデンスランバー (ハードカバー)
伊坂幸太郎の小説のすごさは、構成力だと思う。点と点がいつしか線となり、大きなうねりを持って迫ってくる。そんな文章力が、一番の魅力だと思っていた。
でも、今回の作品は、そんなことがちっぽけになるくらいに愛に満ちあふれていた。 くだらない時間を一緒に過ごした学生時代の友人、そして一度別れてしまえば最も遠い存在になってしまう“元カノ”が登場するわけだが、時を経てもなお彼らの間に流れる“信頼感”は、目の前のとんでもない状況を凌駕するくらいに深い。自分の軸の所在をきちんとわかっているというか、自分の中の優先順位にきちんとケリをつけられているというか、そういう潔さに胸が熱くなる。変わっていっても、同じように大事なもの――その深さに胸を打たれた。 話の軸は首相暗殺事件なのに、変わっていくことや、過ぎてしまった時間を称えるような優しさにあふれている大傑作です。
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