編集企画盤だが、期待にたがわない構成だと思う。まず、やまがたすみこ名義の全シングル版が収録されたこと。シングルのみ発売の数曲が収録されていて、アルバムのみでは出会えない曲にも出会える。特に、「日立ミュージック・イン・ハイフォニックのテーマ」とのカップリングの「白い船白い鳥」は、中古市場でも高価で、入手困難だっただけに嬉しい。また、ファンが待望のフォークアルバム第2集、第3集から数曲収録されたこと。さらに、編集物としては出色の『すみこ・ふぁいるVOL.2』のなかで唯一CD化されていなかった「ちょっとだけ・ちょっとだけ」が収録されており、既発のCDを編集すると、アナログ盤によるヒスノイズから解放されたディスクで、楽しむことができる。
さて、やまがたすみこのシンガーとしての成長については、初期のファンからは好評価をもって迎えられないことがあるが、その時期が、ちょうど1枚目と2枚目で分かれる。2枚目の1〜11曲を気に入った方には、『エメラルド・シャワー』と『FLYING』がお奨め。
アルバムの評価の基準のひとつに、聴いていての心地よさが上げられるが、このアルバムはとにかく心地よく聴くことができる。最後の曲が終わると、もう一度最初から聴きたくなるアルバム。いい構成だ。木村ユタカ氏による解説も面白い。贅沢を言えば、シングル・ヒストリー プラス・アルファで構成されているのだから、歌詞をもう少し小さなポイントで印刷していいので、シングルやアルバムについてのエピソードなどを含め、ファンがその時代を楽しめる解説を入れていただきかった。
とにかく、やまがたすみこの魅力を損なうことなくコンパクトに凝縮したベスト企画アルバムに仕上がっている。