何とも形容できない本です。独特な絵とパッとしない装丁で、はっきりいって人目を引くものではありませんが、そのストーリーには不思議と心揺さぶられるものがありました。それは「素朴な哲学する心」が描かれていたからかもしれません。
心を持ったダッチワイフがその心ゆえに切なさや美しさを感じる表題作、この混沌とした世界を創造した理由を神に尋ねる男の話、あらゆることを合理的にこなすようにプログラムされたロボットが老朽化して不要になった自分自身を自ら破壊する話などが、短編形式で収められています。
自分に文章力がないため、こうして書いてみると我ながら大したことはないように感じられるのですが、「衝撃」としか言いようのないものを感じました。この本は傑作と読んでもいいと思います。
本屋で気まぐれで手に取った本書ですが、毎日洪水のようにたくさんの本が溢れる中でこの本を拾えたのはラッキーだったと思います。こういうことがあるから本読みをやめられません。